国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 REDD研究開発センター

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目的と役割

我が国の貢献と森林総研の役割

温室効果ガスの排出削減は、地球温暖化防止に向けた地球規模での大きな課題です。多くの木材資源を利用する先進国には、熱帯地域をはじめとする発展途上国の森林減少や劣化を抑制することに積極的な責任を果たすことが求められています。これまでにクリーン開発メカニズム(CDM)への取組みが進められてきましたが、さらにREDDプラス(途上国における森林減少及び森林劣化に由来する排出の抑制、並びに森林保全、持続可能な森林経営、森林炭素蓄積の増強)の実現に努力することは、地球温暖化防止に向けた世界的な取組みに貢献することであり、また発展途上国の森林や生物多様性の保全、地域経済にも貢献できると考えられます。

こうした情勢を踏まえ、森林総合研究所では、2010年にREDD研究開発センターを開設し、REDDプラスに関する世界的な動向や情勢分析に基づいて、必要とされる調査・研究開発や民間企業等の活動支援などに取り組み、REDDプラスを推進しています。

問題解決に向けた今後の取り組み

REDDプラスを実行するためには、吸排出量算定の基礎となる測定・報告・検証可能な観測体制の確立や、排出削減量や吸収量を客観的に評価する手法の開発など、いくつかの解決すべき課題があります。

2015年12月のCOP21において採択されたパリ協定において、開発途上国における森林の減少・劣化に由来する温室効果ガス排出の削減等、REDDプラスの実施や支援を奨励することが盛り込まれました。こうした課題に対応するため、産官学の連携・協力を図りつつ、我が国のREDDプラスの推進拠点として、様々な調査・研究開発に取組むとともに、REDDプラスに関連する情報の収集・分析、国民への普及啓発、民間企業等の活動への支援などに積極的に取り組んでまいります。

REDDプラスに係る調査・研究開発

国内外の情勢を踏まえつつ、次の手法の開発に向けて取り組みます。

  • 地域レベルのREDDプラス活動を国レベルで適切に評価する手法
    JCM による民間企業等の地域レベル・プロジェクトレベルの温室効果ガス排出削減量をホスト国政府の国・準国レベルの取組の中で適切に位置づけるための手法を開発します。
  • 対象国の条件に即した排出削減量の計測手法
    途上国の森林条件や実施能力等に応じた低コストで信頼性を担保した森林炭素(変化)量の計測技術やモニタリング手法を開発するとともに、森林炭素(変化)量のモニタリングの計画立案の手順と標準設計を示します。
  • 対象地域の実情に即したセーフガード実施手法
    途上国及びプロジェクト地域の実情に合わせ、プロジェクトの実施によって想定される負の影響を適切に評価し、効果的にセーフガードを実施するための手法を開発します。
REDDプラスに係る情報収集・分析

REDDプラスに関する国際交渉、二国間及び多国間の支援枠組や国内外の民間企業等のREDDプラスへの参入状況の最新動向、途上国のREDDプラス実施体制、削減ポテンシャル、関連法令や慣習、生物多様性保全に関する取組状況等、民間企業等がREDDプラス活動の事業化を図る際に必要となる情報を収集・分析し、成果を取りまとめます。

REDDプラス活動の普及啓発と活動支援

研究開発成果を民間企業等へ普及するとともに、REDDプラスに対する関心層の拡大を図るため、REDDプラスに関する国際セミナーや国際会議等における海外ワークショップ等を開催します。また、「森から世界を変えるREDD+プラットフォーム」(事務局:森林総合研究所、国際協力機構)の活動との連携を図り、ナレッジ分科会での勉強会等を開催します。さらに、REDDプラスに関する技術マニュアルの開発、ホームページやメールマガジンを通じた最新情報の提供、REDDプラスプロジェクトへの技術的アドバイス、ヘルプデスクの運営を通じて、民間企業等によるREDDプラスプロジェクトへの参加を支援します。