国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 REDD研究開発センター

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研究コラム/シリーズ☆森林と国際関係

森林と国際関係(1)- 持続可能な開発目標採択に向けて-

森田 香菜子(森林総合研究所 国際連携推進拠点)
(2015年6月14日執筆/メルマガ記事再掲)

2015年は、森林を含む環境分野の国際制度構築において重要な 年になりそうです。それは、今年、2つの重要な国際枠組の合意 を目指し、交渉が行われているからです。その一つが、2015年12 月にパリで開かれる国連気候変動枠組条約第21回締約国会合 (◆4 関連外部イベント「UNFCCC第21回締約国会合(COP21)」参照)) の下で、合意を目指す2020年以降の新しい国際枠組についてです。 そして、もう一つが、2015年9月の国連総会での採択に向けて、 現在交渉が継続中の、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」を含む「ポスト2015開発アジェンダ」 の議論です (◆4 外部関連イベント「 国連持続可能な開発に関する サミット」参照)。SDGsは、2000年に途上国の開発支援に関して2015 年を期限として設定された「ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)」の後の、2015年以降の目標です。 2012年に開催された国連持続可能な開発会議(リオ+20)において、 環境・経済・社会的側面を含む統合的で、先進国、新興国、途上国 すべての国に適用される目標であるSDGsを検討・実施することが 合意されました。

現在17のSDGs案とそれを達成する指標案が提示されていますが、 その中には、森林分野に関わるものもあります。例えば、「陸域 生態系の保護・回復・持続可能な利用の促進、森林の持続的な管理、 砂漠化への対処、土地の劣化の防止・転換、生物多様性の損失の防 止を促進する(目標案15)」が提示されています。また、その目標 を達成する指標案の1つとして、「2020年までに全ての種類の森林の 持続的管理の実施の促進、森林減少の防止、劣化した森林の回復、 世界的にX%の植林・再植林を増加させる」も示されています。

まだSDGsの議論は継続中ですが、今後SDGsやそのための指標は各 国の森林政策作りに影響を与えると考えられます。今回はこのSDGs とその背景について紹介しましたが、SDGs達成においては、そのた めのガバナンス形成、特に途上国においては資金が必要になってき ます。次回は、SDGsを達成するためのガバナンス、特に資金に関す る議論について紹介します。