国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 REDD研究開発センター

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研究コラム/シリーズ☆森林と国際関係

森林と国際関係(2)- 持続可能な開発目標と資金メカニズム -

森田 香菜子(森林総合研究所 国際連携推進拠点)
(2015年7月12日執筆/メルマガ記事再掲)

2015年以降の森林分野を含む統合的な目標である持続可能な開発目標 (SDGs)の議論は、その目標や達成度合いを評価する指標だけでなく、 途上国等が目標を達成する上で必要となる資金の効果的な動員方法や供 給方法についても注目が集まっています。2015年までのミレニアム開発 目標を達成する上でも、これまで様々な資金源から貧困削減のための資 金が動員されましたが、目標達成には不十分でした。環境・経済・社会 的側面を含むSDGsの達成には、さらに年間数兆ドルに及ぶ資金が必要と なると考えられており、これまで検討されてきた年間数十億ドルの政府 開発援助等による資金動員から、今後は多様な資金源から年間数兆ドル を動員していくことが求められます。

持続可能な開発のための効果的な資金動員や供給方法の議論の中で、 特に注目されているのは、資金規模の大きな民間資金の動員、公的・民 間両方からの資金動員(blended financeやpublic-private partnership)課税等による国内資金の動員、航空券連帯税等の革新的な 資金メカニズムを活用した資金動員です。

2012年の国連総会では、持続可能な開発資金に関する専門家の政府間委 員会(Intergovernmental Committee of Experts on Sustainable Development Financing)を設立し、持続可能な開発のための効果的な 資金戦略に関する報告書を2014年までにまとめることが決定され、2014 年8月にはその議論をまとめた報告書が発表されました。今月の7月13日 ~16日には、エチオピアのアディスアベバで、開発のための資金に関す る第三回国際会議(The Third International Conference on Financing for Development)が開かれ、様々なステイクホルダーが 集まり、引き続き持続可能な開発のための資金について議論されます。

この持続可能な開発のための資金に関する議論は、森林分野に特化し たものではありませんが、今後の森林を含む環境分野の資金メカニズム 設計の基礎となりうるものです。また、現在国連気候変動枠組条約の下 で議論されている、REDD+の資金メカニズムは制度設計がうまくいけば、 持続可能な開発のための革新的な資金メカニズムの良い事例となりうる と考えます。

今後もSDGsに関する議論の進展については適宜報告したいと思います が、次回からは、国連気候変動枠組条約、生物多様性条約、国連砂漠化 対処条約等の様々な条約下の森林分野に関連する議論について紹介して いきます。