国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 REDD研究開発センター

文字サイズ

2012年の動き

国際交渉の状況(2012年の動き:COP18の概要)

UNFCCCにおけるREDDプラスに関する交渉の場

  • 国連気候変動枠組条約(UNFCCC)では、条約全体に関する議論は「長期的協力の行動のための特別作業部会(AWG-LCA) 」 において、京都議定書に関する議論は「京都議定書の下での附属書Ⅰ国の更なる約束に関する特別作業部会(AWG-KP)」において行われてきた。
  • 2011年末のCOP17において、全ての国が参加する「活動促進のためのダーバンプラットフォームに関する特別作業部会(ADP)」が設置されることになったことを受け、AWG-LCA及びAWG-KPはCOP18において作業を完了し、その役割を終了した。
  • REDDプラスについては、これまで技術的課題への対処については「科学技術上の助言に関する補助機関(SBSTA)」が、政策面(とくに資金面)の課題についてはAWG-LCAが交渉の場となっていた。COP18でAWG-LCAが終了したことを受け、今後はSBSTA及び「実施に関する補助機関(SBI)」においてREDDプラスに関する議論が行われることとなった。

SBSTA37におけるREDDプラスの議論

  • カンクン合意(2010年)では、REDDプラス実施に際の技術的課題に関するルールとして、下表に示す5つの課題がSBSTAでの作業として要請されていた。5つの課題のうち、 COP17(2011年)以降の積み残しの課題となった森林減少・劣化の要因特定及びその対策の貢献評価手法の開発、MRVシステムのモダリティ作成、国家森林モニタリングシステムについて、COP18までに作業を完了する予定となっていたが、COP18における決定はなく、今後も作業を継続する旨が最終文書(決定案)に示された。

国家森林モニタリングシステム(National Forest Monitoring System: NFMS)に関して議論された主だった内容

  • NFMS構築の際は、COP15で示されたガイダンスを考慮し、また、最新のIPCCガイダンス及びガイドラインを適切な形で(as appropriate)参考にしなければならない。
  • 堅牢なNFMSは、透明性が確保され時系列の一貫したデータ、情報を提供しなければならない。また、REDDプラス実施結果についてのMRVシステムとして適したものとする。
  • NFMSは、各国の状況・能力に応じた資金及び技術支援が実施された上で、以下の要件を満たさなければならない。
    • 既存システムを踏まえて構築される
    • 天然林を含む様々な森林タイプを評価できる
    • 柔軟性を持ち、システムの更新が可能である
    • フェーズドアプローチを適宜反映する
  • NFMSにおいて、セーフガードに関する情報を提供し得る。

(出所)FCCC/SBSTA/2012/L.31

MRVシステムに関する議論
  • MRVシステムについては、とくにVerification(検証)のあり方が論点となった。UNFCCCに登録された専門家/Reviewerにより、独立した国際的な検証プロセスに基づく検証を提案する先進国、そして国際的な協議と分析(International Consultation and Analysis: ICA)を提案する途上国で意見が対立した。
  • 今後の検討に向けては、以下の内容について各国に意見提出を招請することが議論された。
    • REL/RLの技術評価及び技術評価プロセス
    • REDDプラス実施の結果として生じるコベネフィットに関する課題
    • 森林の多面的機能を考慮する場合の国家森林モニタリングシステム及びMRVシステムに関する課題

AWG-LCAにおけるREDDプラスの議論

  • REDDプラスに関する資金オプション、資金供与の方法及び供与条件等についての議論が継続して行われた。
  • AWG-LCAでの交渉がCOP18をもって終了することを受け、今後の議論をSBSTA及びSBIにおいて行うこととなった。
  • REDDプラス実施の結果に基づく資金(results-based finance)については、完全に実施するための補足的資金の利用可能性に関するワークショップ(計2回)の実施を含め、2013年中の作業計画が決定した(パラ25)。関連する決定文書案は以下の通り。
  • 作業計画では以下の事項に取り組む(パラ29)。
    • 結果に基づく活動のための支払い(payments for results-based actions)方法及び手段
    • ノンカーボン・ベネフィットにインセンティブを与える方法
    • 結果に基づく資金(results-based finance)の調整を改善する方法

(出所)FCCC/SAWGLCA/2012/L.4

  • REDDプラス実施のための支援を調整を改善する必要性、及び十分で予測可能な資金及び技術支援実施の必要性が認識され、REDDプラス委員会といった体制の整備について検討することとなった(パラ34及びパラ35)。関連する決定文書案は以下の通り。
  • 既存の体制整備、または、その代替となり得る何らかの組織(body)または会合(board)、委員会(committee)といったガバナンスについて、SBSTA38及びSBI38において検討すること、その内容をCOP19に報告することを要請する(パラ35)。
  • 上記が果たし得る機能、モダリティ及びプロセス等について、各国に意見提出を招請する(パラ36)。

(出所)FCCC/SAWGLCA/2012/L.4

  • その他、REDDプラス活動実施の結果として生じるノンカーボン・ベネフィットの扱いが論点となり、これに関する課題について次回のSBSTA38で検討を開始し、COP19へ報告することが要請された(パラ40)。

関連リンクほか

それぞれの原文は以下から入手できます。