国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 REDD研究開発センター

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2014年の動き

国際交渉の状況(2014年の動き)

2014年6月 ボン気候変動会議(ADP2.5、SBSTA40等)の結果概要

2014年6月にドイツ・ボンにて開催されたボン気候変動会議(科学的及び技術的な助言に関する補助機関第40回会合(SBSTA40)では、COP19及び3月に開催されたADP2.4の結果を踏まえ、今年12月にペルー・リマで開催されるCOP20に向けた議論が進められた。REDDプラス関連の主な議論の結果は以下の通り。

(1)非市場型のアプローチ

【これまでの経緯】

  • 市場メカニズムの導入に反対するボリビア等の主張により、2011年のCOP17で合意されたAWG-LCAの結論に「森林の統合的で持続可能な管理のための緩和と適応の共同アプローチ」(joint mitigation and adaptation approaches for the integral and sustainable management of forests:以下JMA)等の非市場ベースのアプローチの開発の可能性が盛りこまれた(決定2/CP.17 パラ67)。これを受けて行われた2012年のCOP18での検討の結果、2013年6月のSBSTA38での検討が決定(決定1/CP.18 パラ39)。SBSTA38での検討の結果、2014年3月26日までに各国と認定オブザーバー機関からのサブミッションを求めるとともに、SBSTA40で会合内専門家会合を開催し、方法論的ガイダンスの策定について検討を継続することに合意。
    【SBSTA40での議論】
  • 6月6日に開催された会合内専門家会合で議論を開始。ボリビア、米国、インドネシアからのプレゼンテーションが行われ、ボリビアは自国の主張するJMAの内容について説明するとともに、今次会合で概略的なJMAの方法論案を作成し、次回SBSTAで詳細のガイダンスの検討を行いCOP20で採択することを主張。一方、米国、インドネシアは、現在の方法論は非市場アプローチにも対応しうること、既存の様々な支援が非市場の市場の両方をカバーしていること、本トピックスは既にCOP19で作業を終了していることなどから、新たなアプローチの開発は不要との立場を示し、多くの締約国がこれを支持した。
  • 他方、LDC諸国は、CDMの下で期待した支援が得られなかった経験から、非市場の支援の重要性を指摘し、継続的な検討が必要であると主張。
  • その後非公式会合で議論が重ねられたが、さらにボリビアが「JMAはREDD+に代わる代替アプローチである」との主張を展開したことから、ブラジル、EU等は「REDD+でないのであれば別議題または条約の外で検討すべき」と指摘。フィリピンはJMAに限定せず非市場アプローチ全般やコベネフィットについて検討を継続すべきとの立場を示した。
  • 議論は収束せず、最終的に本年末のSBSTA41で検討を継続することとなった。
(2)非炭素便益

【これまでの経緯】

  • アフリカを中心とするLDC諸国等の意見により、COP18でSBSTA38での検討とCOP19への報告が決定(1/CP.18 パラ40)。SBSTA38での議論の結果、非炭素便益のタイプと方法論的課題を明確化する必要性に合意し、3月26日までに各国と認定オブザーバー機関からのサブミッションを求めるとともに、SBSTA40での検討継続に合意。
    【SBSTA40での議論】
  • 非炭素便益の重要性については各国とも異論がないものの、非炭素便益に追加的なインセンティブを付与するための方法論的ガイダンス構築については、ブラジル、インドネシア、先進各国が、セーフガードや国家戦略で対応すべき、便益は国内に還元されているなどとして反対。一方、タンザニア、コンゴ民主共和国等アフリカ各国は非炭素便益への国際的なインセンティブについて検討するためのテクニカルペーパー作成を提案。
  • 議論は収束せず、最終的に来年上半期のSBSTA42で検討を継続することとなった。
(3)その他
  • 会期中、ブラジルが他国にさきがけて条約事務局に自国の参照レベルを提出 した。今後約1年間で技術アセスメントを実施し、結果はUNFCCCウェブサイトで公表される予定。

    【写真】ブラジル政府からクリスティアナ・フィゲレス事務局長(中央)に参照レベル報告書を提出
  • ADP2.5 のワークストリーム2 (2020年までの緩和の野心向上に関する検討)の下で実施した土地利用に関する技術専門家会合において、多くの締約国や国際機関が途上国におけるREDDプラスの取組事例や支援活動を紹介するとともに、土地利用分野の緩和・適応活動に対するインセンティブ付与の重要性を強調した。

    【写真】ADP2.5 ワークストリーム2 土地利用に関する技術専門家会合
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