国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 REDD研究開発センター

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2019年度 No.4 (8/23) 森林総研REDD研究開発センターだより2019年度 No.4


◇◇◇ 森林総研REDD研究開発センターだより2019年度 No.4 ◇◇◇
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発行年月日: 2019年8月23日
国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
REDD研究開発センター

トピックス

◆1.REDD研究開発センターより
◆2.現場レポート
◆3.その他 (他所主催の関連イベント・ニュース情報)
◆4.REDDセンターリレーコラム 第四回 井上泰子“アフリカの魔女の鳥”

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◆1. REDD研究開発センターより
 皆様、残暑厳しい折、いかがお過ごしですか?
 来週の28日から30日は横浜で第7回アフリカ開発会議(TICAD VII)が開催されるため、街中のポスターやプレイベントなどでアフリカ歓迎ムードが盛り上がってきていますね。今号ではそのサイドイベントなどについても掲載しているほか、エチオピアの森林コーヒーのイベントについてもご紹介しています。巻末のREDD研究開発センターのスタッフのリレー・コラム第四回は、南部アフリカのモザンビークに4年間勤務した井上泰子が「アフリカの魔女の鳥」についてお伝えします。暑い季節にピッタリのちょっと背筋が涼しくなるお話しです。アフリカの話題が多い今号ですが、ミャンマーでの報告や市場メカニズム関連の話題などもございます。どうぞ終わりまでお楽しみ下さい。

◆2. 現場レポート
 REDD研究開発センターでは、海外におけるワークショップ、シンポジウムや現地調査の様子をお伝えしています。
  ミャンマーの首都ネピドーで7月30日にミャンマー森林研究所、ミャンマー森林局と共催した技術者のためのワークショップ等について追加しました。
http://redd.ffpri.affrc.go.jp/technical/report/2018_ja.html

◆3.その他(他所主催の関連イベント・ニュース情報)
3.1 今月28~30日、横浜で、第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が開催されます。
 同会議は、日本政府が主導し、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行及びアフリカ連合委員会(AUC)と共同で開催しているもので、アフリカ諸国の元首・首脳級、国際機関及び地域機関並びに民間セクターやNGO等市民社会の代表等が参加します。
 森林保全、自然環境、気候変動関連では、以下のサイドイベントなどが予定されておりますので、ぜひご参加ください。 以下WEBサイトより事前のご登録をよろしくお願い致します。

(1)8月28日(水) 10:30-12:00 「アフリカの森林の持続可能な経営とSDGs2030」
 このサイドイベントでは、ITTO、JICA、民間企業、アフリカの国々、利害関係者の取組みを参加者と情報共有する重要な機会を提供します。彼らが、経済的、環境的、社会的に重要な林産物や森林からのサービスの提供のために持続可能な森林経営に取り組んだ、経験、教訓、ベストプラクティスを議論します。
場所:パシフィコ横浜展示ホール
主催:国際熱帯木材機関(ITTO)・林野庁・国際協力機構(JICA)
詳細・参加登録:
https://www.itto.int/ja/events/sustainable_forest_management_and_sdgs_2030_in_africa/

(2)8月28日(水)13:00-15:00 「サブサハラ・アフリカ 気候変動との闘い」
場所:ヨコハマ グランドインターコンチネンタルホテル「ラヴェラ」
主催:国際協力機構(JICA)・環境省共催
詳細・参加登録:https://www.ticad7.jica.go.jp/event-10/

(3)8月29日(木)13:00-15:00「森から世界を変える -アフリカにおけるより良い森林ガバナンスのためのイノベーティブな技術・アプローチ -」
場所:ヨコハマ グランドインターコンチネンタルホテル「ラヴェラ」
主催:国際協力機構(JICA)・宇宙航空研究開発機構(JAXA)・国際熱帯木材機関(ITTO)
詳細・参加登録:https://www.ticad7.jica.go.jp/event-20/

3.2 World Specialty Coffee Conference and Exhibition (SCAJ) 2019
 エチオピアのRainforest Alliance認証を受けた森林コーヒーをはじめ、おいしいスペシャルティコーヒーの生産国を含めた25の国と地域、300ブースを超えるコーヒー関連機械・器具等の展示、各種情報・品質に関するセミナーの開催、さらにイベントステージでは各種コーヒー競技会の決勝大会等を実施します。もちろん試飲コーナーも。
日時:9月11日(水)~13日(金)10:00~17:00(最終日は16:00まで)
場所:東京ビッグサイト西3・4ホール
主催:日本スペシャルティコーヒー協会
後援:外務省
http://www.scajconference.jp/

 このSCAJ会場に於いて、「エチオピア森林コーヒーのスペシャルティへの取り組み」と題したセミナーが開催されます。エチオピア南西部の高地はアラビカコーヒー発祥の地であり、今も原木の森が残されています。この森林コーヒーの保全と付加価値化を、JICA技術協力プロジェクトとして支援をした結果、レインフォレストアライアンス認証コーヒーとして、日本でも販売されるようになっています。森林コーヒーを味わいながら、森林コーヒーの現状と未来について考えてみませんか。
日時:9月11日(水)~13日(金)10:30~12:00
主催:エチオピア-JICA 森林コーヒープロジェクト

3.3 国際海運・運輸については、温室効果ガスの排出について、どこの国に帰属するか判断するのが難しいという問題がある中、グローバルな削減目標を設定し、市場メカニズムを活用した世界的な排出削減制度を構築することが国連国際海運・運輸機関(ICAO)で合意されています。
このICAOが設定する国際航空のための炭素オフセット及び削減スキーム(Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation (CORSIA)の排出ユニット指標に適合するかについて審査を受けたいとする排出削減プログラムの第一回公募を実施したところ、その結果が公表されました。REDD+、植林関連も含む14のプログラムが応募し、現在ウェブサイトで応募書類が公開され、パブコメの募集が開始されました。(~2019年9月5日締め切り)
https://www.icao.int/environmental-protection/CORSIA/Pages/TAB.aspx
今次応募した14の排出削減プログラムは以下となっています。
1. American Carbon Registry
2. British Columbia Offset Program(カナダBC州)
3. China GHG Voluntary Emission Reduction Program
4. Clean Development Mechanism(UNFCCCのCDM )
5. Climate Action Reserve
6. Forest Carbon Partnership Facility(世銀FCPF)
7. Global Carbon Trust
8. Gold Standard
9. myclimate
10. Nori
11. REDD.plus (Coalition for Rainforest Nations(CfRN))
12. Thailand Greenhouse Gas Management Organization
13. The State Forests of the Republic of Poland
14. Verified Carbon Standard (VCS) Program (managed by Verra)

3.4 World Business Council for Sustainable Development (WBCSD)の「森林セクターSDGロードマップ」
 WBCSDは、1992年に世界の主要な多国籍企業により結成された協議会で、同年にブラジルのリオデジャネイロで開催された、そして気候変動枠組条約などが誕生した環境と開発に関する国際連合会議(UNCED)における議論にも影響を及ぼしたことで知られています。WBCSDは、本年6月にForest Sector SDG Roadmap (森林セクターSDGロードマップ)を発表しました。森林セクターがどのような活動によりどんなインパクトを及ぼしうるか、SDGsに関連づけてマトリックスなどにより整理されています。
 https://docs.wbcsd.org/2019/07/WBCSD_Forest_Sector_SDG_Roadmap.pdf
 
◆4.巻末リレーコラム 第四回 井上泰子 “アフリカの魔女の鳥”

 皆さん、モザンビーク共和国ってご存知でしょうか?アフリカを九州に例えると宮崎県あたり、面積は日本の2倍の大国です。といっても、「国境」というのは外から来た外国人が自分たちの都合で分けたもので、このコラムで紹介する「ハンマーコップ」を魔女の鳥と呼ぶのもモザンビークの人だけではなく、南部アフリカに住む民族「ズールー人」や「ショーサ人」もだったりします。(ご参考:https://en.wikipedia.org/wiki/Lightning_bird)
 モザンビーク南部のシャイシャイという町のバーで食事をした時、モザンビーク林業局のカウンターパートに「見た?さっき、左側のカウンターの2番目に魔女がいたよ」と言われビックリしたのが、私がアフリカで初めて遭遇した魔女さんでした。場所、民族により、伝統儀式をつかさどる祭祀をそう呼ぶこともあれば、職業的に占術、祈祷、呪術(白魔術、黒魔術)をする人を指すこともあるようです。
 「ハンマーコップ」という鳥は魔女に遣える「しもべ」、と言い伝えられています。猛禽類で、血を好み、その巣の中にはいろいろなもの-石や、動物の骨や、牙など-をため込んでいるそうで、魔女の皆さんはこれを呪術や占いに使うそうです。
 2013年の年末、モザンビーク南部ガザ州でカウンターパートと共にトラックに苗木を積んで森の中を村々に運んでいたところ、途中で道に迷ってしまいました。雨期が始まっていて道が悪く、ガソリンがなくなると大変だな、と気をもんでいると「ハンマーコップ」が現れました。「こっちだ」とでも言うように私たちのトラックの前を飛び、誘導していくのです。もうどうせ迷ってるんだし、とついていくうちに日が暮れ、いつのまにかハンマーコップはいなくなっていました。と、突然トラックが右に左に舵をとられ、完全にぬかるみにはまり、動けなくなってしまったのです。すると郡都で雇用した現地スタッフの3人が、なぜかスタコラ走って逃げてしまいました。あたりはもう真っ暗。モパネ林の中、泥だらけになりながらどうにかドライバー、カウンターパートと苦心して引っ張り脱出したのですが、後から逃げた現地スタッフに聞いたら、実はそこは内戦時代に大きな戦闘があり、たくさんの人が亡くなったまさにその場所で、怖くなって逃げた、「ハンマーコップ」の魔術に違いない、ゴメンゴメン、とのことでした。。。もっとも、幽霊よりもゾウやワニの方に遭遇する方が危険に違いないのですが、無事で何よりでした。
 ということで、真夏の夜のちょっと涼しくなるお話しでした。こんな不思議な魅力にあふれる南部アフリカ、どうぞ訪れてみて下さいね。

 N'Kosi Sikeleli iAfrica! (ンコシ・シケレリ・アフリカ!(コサ語)― God bless Africa!)

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