国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 REDD研究開発センター

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2020年度 No.1 (4/7) 森林総研REDD研究開発センターだより2020年度 No.1

◇◇◇ 森林総研REDD研究開発センターだより2020年度 No.1 ◇◇◇ 
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発行年月日: 2020年4月7日 (火)
国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 
REDD研究開発センター 

トピックス 

◆1.REDD研究開発センターより
◆2.イベント情報
◆3.論文、書籍
◆4.現場レポート 
◆5.REDDセンターリレーコラム 令和2年度 第1回 所 雅彦「シロアリは凄いのです。」
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◆1. REDD研究開発センターより 

 桜の花びらが舞い、多くの行事があるこの季節ですが、新型コロナの関係で、様々なご苦労を強いられている方も多いことと思います。心からお見舞いを申し上げます。罹患された方のご回復と早期のパンデミックの収束、そして社会経済活動の復活をお祈りします。
今月号のコラムでは、「シロアリ」についてREDD研究開発センターの昆虫博士・所がご紹介いたします。皆さんも、熱帯の森や畑で、やもすると人の身長よりも大きいような巨大なアリ塚を見られたことがあるのではと思います。生きとし生けるものには、生きることで果たしているかけがえのない役割があるのだと改めて思いました。どうぞお楽しみ下さい。


◆2. イベント情報

2.1 REDD研究開発センター令和元年度国際セミナーの開催(報告)
 2020年1月21日に開催された『REDDプラス・始動元年2020-持続可能な開発のための国際移転可能な成果に向けて』(REDD+ Start-up Year 2020: Roadmap to Result-based and Transferable Outcomes for Sustainable Development)の概要と、各登壇者の発表資料・議事録をウェブサイトにアップしましたのでご参照下さい。

http://redd.ffpri.affrc.go.jp/events/seminars/2020/20200121_ja.html

◆3.論文、書籍

3.1 「REDDプラスCookbook Annex Vol. 7 プロジェクト組成・実施・拡大手順―排出削減努力が適切な評価を受けるためにー」が刊行されました。

 森林総合研究所 国際連携・気候変動研究拠点 気候変動研究室の江原誠主任研究員ほか5名(矢野正人・淺田陽子(三菱UFJ)、松本光朗(近畿大学)、岡部貴美子・古川拓哉(森林総合研究所))が執筆した技術解説書が発表されました。これは、REDDプラスプロジェクトを組成、実施、拡大する際の手順について、特にプロジェクトの排出削減努力が、REDDプラス実施国で適切な評価を受けるためにはどのような手順を踏めばいいかについて解説したものです。REDDプラスプロジェクトの実施を予定している方をはじめ、熱帯地域の森林保全にご関心のある皆様にぜひご参照下さい。

http://redd.ffpri.affrc.go.jp/pub_db/publications/cookbook_annex/_img/cookbook_annex_vol7_ja.pdf


3.2 「REDDプラスCookbook Annex Vol. 8 排出削減量モニタリングのためのプロジェクト方法論設計手順」が刊行されました。

 森林総合研究所 森林植生領域 の佐藤保領域長が執筆した技術解説書が発表されました。これは、REDD-plus Cookbookで示された森林炭素蓄積量や排出削減量の計測手法を活用しながら、プロジェクトレベルで排出削減量モニタリングのための方法論の設計手順を開設したマニュアルです。特に日本政府が提案している二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism (JCM))でのプロジェクト実施に必要な方法論の設計に応用できるように構成しています。本書は、主に現場で排出削減算定の方法論作成のために情報を収集する技術者の方にお役立ていただきたいものですが、林学・森林環境学を学ぶ学生や森林保全にご関心のある皆様もぜひご参照下さい。

http://redd.ffpri.affrc.go.jp/pub_db/publications/cookbook_annex/_img/cookbook_annex_vol8_ja.pdf


3.3 「森林モニタリング6つのポイント」が刊行されました。
 森林総合研究所 佐藤保、北原文章、宮本和樹、齋藤英樹、古川拓哉、江原誠によって執筆された技術解説書が発表されました。

 これは、プロジェクトレベルでREDDプラス事業を実施する際に必要となる森林炭素モニタリングについて、実施の際に考慮すべき6つのポイントを示しています。各ポイントでは、Cookbook Annexでは紹介しきれなかった森林炭素モニタリングに有用かつ最新の情報について既刊のマニュアルの関連部分を明示しつつ、さらに理解を深めたい場合に備え、参考情報も掲載しています。国内外でREDDプラスに取り組む方に有益な情報です。ご参照下さい。

http://redd.ffpri.affrc.go.jp/pub_db/publications/6points/index_ja.html


3.4 「日本の森林教育―多様な活動の広がりと研究の推進」
(英語版:Forest Education in Japan -Historical Review; Current Forestry Practices, Forest Management, and Wood Processing Education; and Future Expectations)が森林総合研究所多摩森林科学園から発刊されました(編集長 井上真理子、副編集長 川元スミレ、大石康彦)。

 このブックレットは、IUFROニュース(Vol.49 Double Issue 2/3, March 2020)で取り上げられ、IUFROのホームぺージで紹介されています。
(https://www.iufro.org/publications/news/electronic-news/iufro-news-23-2020/#c29816)

 森林教育は、国際的に森林の持続的な管理と保全および再生可能な木質資源の有
効活用が図られる中で、人々と森林とをつなぐ重要な役割を果たすことが期待さ
れており、熱帯地域での森林保全活動においても、日本での森林教育の研究成果
をまとめた本書は、有用な示唆を与えてくれるものです。どうぞご参照下さい。

(日本語版)https://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/chukiseika/4th-chuukiseika32.html

(英語版)https://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/chukiseika/4th-chuukiseika31.html
 

◆4. 現場レポート 

 REDD研究開発センターでは、海外におけるワークショップ、シンポジウムや現地調査の様子をお伝えしています。ミャンマー、カンボジアなどでの活動について追加しました。
 
 http://redd.ffpri.affrc.go.jp/technical/report/2019_ja.html 

◆5.巻末リレーコラム 令和2年度第1回 所雅彦 「シロアリは凄いのです。」

 シロアリと言えば家を食い荒らす憎っくき害虫と思われるでしょうが、シロアリは世界的に見るとその約2割ほどだけが建材等を食害する害虫で、その他の約8割のシロアリの多くが物質循環の分解者としての役割を担っており、むしろ役にたっていると思われます。
 シロアリはアリと言いますがアリの仲間ではありません。アリは幼虫から蛹を経て成虫に姿を変える完全変態をするハチの仲間ですが、シロアリは孵化後から成虫に似た形の幼虫(若虫)になる、不完全変態をする昆虫で、分類学上はゴキブリの仲間で、欧米の研究者では社会性ゴキブリ(social cockroach)と呼ばれています。シロアリは主に熱帯から温帯に分布しており、熱帯における生物量は、あのセレンゲティからマサイマラをおびただしい数で長距離移動する、オグロヌーなどの草食動物の生物量に匹敵していると言われています。
 シロアリはご存じの通り木を食いますが、木を食べているものは動物では珍しく、昆虫でも甲虫類とシロアリくらいで、甲虫類の多くが木の中にある澱粉など分解が容易な炭水化物を利用しているのに対し、シロアリは木の構成主成分であるセルロースを分解利用でき、この能力を持つものはシロアリ以外にはほとんど居ません。セルロースは地球上で最も多く存在する難分解性の炭水化物で、皆様ご存じのブドウ糖(グルコース)がたくさん規則正しく鎖のように結合した多糖類と言う化合物(炭水化物)ですが、化学結合が強く、昆虫の多くはそれを分解できる酵素を持っておらず、消化できません。しかしシロアリは共生微生物(後腸内原生動物やキノコ等)の力を借りてこれを見事に分解し利用できる特別な昆虫なのです。つまり、世界中に植物体のセルロースとして固定され蓄えられた炭素化合物を分解して、利用できる形にする重要な役割を担っており、脂質やたんぱく質に変換したり、エネルギーとして利用して、最終的には二酸化炭素と水に戻しているのです。地球温暖化には一役かっているかもしれませんが、炭素循環には欠かせない役割を演じています。凄いでしょう!

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