国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
REDDプラス・海外森林防災研究開発センター

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2020年度 No.3 (11/26) 森林総研REDDプラス・海外森林防災研究開発センターだより2020年度 No.3

◇◇◇ 森林総研REDDプラス・海外森林防災研究開発センターだより令和2年度 No.3 ◇◇◇

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発行年月日: 令和2年11月26日 (木)
国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
REDDプラス・海外森林防災研究開発センター

トピックス
◆1.はじめに
◆2.イベント情報
◆3.論文・レポート紹介
◆4.センター研究員のリレーコラム 杉元倫子「(一昔前のように)再び遠くなった海外の地と人々に思いをはせて」

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◆1. はじめに
 冬の気配が近づくこのごろ、皆様いかがお過ごしでしょうか?
今週と来週(11月23日から12月4日まで)、UNFCCCではClimate Dialogueが開催されており、気候変動適応・緩和に関連する様々なイベントが開催されています。時差の関係で日本の深夜に及びますが、オンラインで参加が可能なイベントもあります。(https://unfccc.int/cd2020)
 明日11月27日、弊所では「ポストコロナ社会と森林」と題したウェブセミナーを開催します。この他、今号では年末年始に予定されている重要なイベントを紹介しております。巻末リレーコラムは、弊所国際研究推進室の杉元倫子室長が担当し、海外渡航をはじめ人との交流が困難となっている状況の中で思うことをつづりました。どうぞ最後までお楽しみください。

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◆2. イベント情報
2.1 森林総研国際オンラインセミナー「森林による防災・減災の可能性をさぐる(Exploring the potential of forest-based disaster risk reductions (F-DRR))」

 昨今、気候変動の進行、多発する森林や農地への森林火災を伴う土地利用変化、世界各地での激甚気象現象による土砂災害等の被害の増加などが多発し、森林による防災・減災(F-DRR)は、ローカルの自然・生態系の特徴を生かし、持続的なレジリエンスの強化を導く気候変動適応・緩和の双方に資する自然に基づく解決策として期待されています。これに資する日本の国土強靭化に関する知見の途上国への適用や課題の調査、海外展開に向けた技術開発・人材育成が求められているところです。
 本セミナーは、「森林による防災・減災の可能性をさぐる」ことを目的とし、F-DRRの戦略・実践の国際的動向について情報提供すると共に、具体的な政策的・技術的取り組みと課題について各国から報告します。さらに、「森林による防災・減災の可能性」を主題としたパネルディスカッションを行い、F-DRRに対するニーズと課題を共有し、今後どのように取り組んでいくべきか、方向性と可能性について議論します。
 ぜひご参加下さい。

【開催日】
 令和3年1月27日(水) 開会15:00~閉会17:00

【方法】
・オンライン参加及び会場参加(先着30名程度) 
・日本語・英語同時配信

【登壇予定】
・FAO
・IGES
・ミャンマー森林局
・ベトナム森林科学アカデミー
ほか

【参加登録】
後日お知らせします。
http://redd.ffpri.affrc.go.jp/events/seminars/2021/20210127_ja.html

2.2 森林総研国際オンラインワークショップ「Natural disasters and risk reduction measures in Vietnam and Japan(ベトナムと日本における自然災害と防災対策の取組み)」

 ベトナムと日本は、ともに急峻な山地と長い海岸線を有するとともに、台風による集中豪雨や高潮、海溝型地震に伴う津波の被害を受ける、といった地理的・気候的な共通点があり、防災・減災技術が研鑽されてきた歴史があります。
 本セミナーにおいては、両国からそれぞれ森林地域における自然災害の実態とその対応策について紹介するとともに、森林による防災・減災技術の開発のニーズと可能性について議論を行います。

【開催日】
 令和2年12月23日(水) 開会15:00~閉会17:00

【参加登録】
後日お知らせします。
http://redd.ffpri.affrc.go.jp/events/seminars/2020/20201223_ja.html

2.3 新潟大学災害・復興科学研究所&森林総合研究所連携協定締結記念シンポジウム「山地の自然災害と森林科学~最新研究の動向~」

【趣旨】
 新潟大学災害・復興科学研究所と森林総合研究所の連携協定の締結を記念し、シンポジウムが開催されます。信州大学の鈴木啓助名誉教授による基調講演「山岳地域に於ける水循環とその変動」に続き、「森林環境と災害」と「山地災害のリスク評価と予測」の2つのセッションからなる発表を行い、山地の自然災害と森林科学の最近の研究を広く発信するほか、ポスターセッションが開催されます。

【開催日】
令和2年12月7日(月)13時30分~17時30分
会場:アートホテル新潟駅前 4階 越後・東の間
(会場参加 30名、オンライン参加 300名)

【参加登録】
申込み先:nhdr_office@gs.niigata-u.ac.jp 新潟大学災害・復興科学研究所
メールの件名:12月7日シンポジウム参加希望
必要記入事項:会場参加またはオンライン参加、お名前、ご所属、職名(学生の方は学年)、連絡先のご記入をお願いいたします。
(個人情報は本件以外に使用しません)
お申し込みのあったオンライン参加者へは、オンライン接続(Zoom)に関する情報を返信します。
申込み締切:令和2年11月30日(月曜日) 16時まで

【お問い合わせ先】
新潟大学災害・復興科学研究所事務室
電話:025-262-7051
E-mail:nhdr_office@gs.niigata-u.ac.jp

2.4 森林総研ウェブセミナー「ポストコロナの社会と森林」(事前申込期限は過ぎていますが、後日録画配信あり)
【趣旨】
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行を受けて、社会は大きく変わると予想されます。新型コロナウイルス感染症をはじめとする野生動物由来の人獣共通感染症は、森林減少や劣化がその一因と考えられること、森林周辺の住民は新興感染症に対して脆弱であることなどから、既に森林セクターに関連する国際機関は、様々なウェブセミナーを開催し、問題点の抽出や対応策について議論を始めています。
 国内では感染者数の増加に伴い、人の移動制限、身体的・精神的健康維持、教育等について問題が顕在化し、対応が模索されるところです。このいわゆる新型コロナ禍が終息するのか、またそれがいつになるのかは予測困難ですが、一方で人獣共通感染症は、引き続き発生すると懸念されています。
 本セミナーでは、このような状況下で国内外の森林生態系の役割や林業及び木材産業がどのように変化するのか、またどうあるべきかを考え、議論を深めるために5名の専門家講師をお招きします。

【開催日時】
令和2年11月27日(金)13時~15時

【参加登録・プログラム等】
http://www.ffpri.affrc.go.jp/event/2020/20201127webseminar/index.html

◆3.論文、レポートの紹介
3.1「自然に基づく解決策に関連する国際的な議論」森田香菜子著

 自然に基づく解決策(Nature-based Solutions: NbS)についての社会・経済システムと自然・生態系システムとの関係性に関わる二つの方向性の議論、①社会・経済システムに焦点を置いた、「NbSと経済や金融に関連した議論」、②自然・生態系システムに焦点を置いた、COVID-19のような人獣共通感染症抑制の観点から「自然そのものを見直す議論」についてまとめられています。
 http://redd.ffpri.affrc.go.jp/pub_db/works/2020/202009_morita_ja.html

3.2 公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)/「森林と開発の両立: インフラと採鉱産業の対応、人々の持続可能な生計の促進」山ノ下麻木乃、鮫島弘光、梅宮知佐、藤崎泰治、久保英之、河合真之

先週、森林に関するニューヨーク宣言の進捗調査レポートが公表されました。今年は鉱業インフラ業界の森林減少への影響、森林に依存して生活する地域住民への支援に関するもので、森林に関するニューヨーク宣言のアセスメントパートナーズの地球環境戦略研究機関(IGES)が要約の日本語版を公開しました。
https://www.iges.or.jp/en/pub/newyorkdeclarationonforest-goal3-4summary/ja

3.3 炭素市場エクスプレス「二国間クレジット制度(JCM)によるSDGsへの貢献」動画

 JCMによるSDGsへの貢献について、JCMの仕組みなどもわかりやすく説明された動画が配信されました。REDD+は事例としては挙げられていませんが、ご関心がある方はご参照下さい。
https://www.carbon-markets.go.jp/column/others/11669/

◆4. 巻末リレーコラム 令和2年度第3回 杉元倫子「(一昔前のように)再び遠くなった海外の地と人々に思いをはせて」
 子供たちを連れ出す親からすると、旅行に行ってこのようなものを見せたことを覚えて(学習して)いて欲しい、と思っているのでしょうが、当事者の子供側が記憶していることは、しばしば親の意図通りにはならないようで…。大人になってから自分は、行った先で見たものを記憶するのではなく、そこで出会った人との出来事を記憶するタイプだったのだな、と気付きました。
 例えば、子供の頃に住んでいたアメリカのグランドキャニオンでの一番の記憶は、アジア系のお兄さんが、持っていた双眼鏡をそっと貸してくれたこと。ワイキキビーチでの思い出は、本土からの観光客にハワイの地元民と間違えられたこと。大学院生の時に出かけたイギリス旅行で思い出すのは、田舎町のおばさんが教会を指さしながら「これは新しくて、築200年なのよ~。」と、笑ってさらっと言っていたこと。共同研究のため滞在したマレーシアでも、遅延する機内で隣席のUNICEFマレーシア代表の方から、「故郷の島(出身国)に戻った時は必ず革製品屋を訪れて、店主の幼なじみと顔を合わせるんだよ。」と聞いたことが記憶鮮明で…。挙げればきりがありません。
 今やちょっとネット検索するだけで、自分では行けないような場所の映像が見られたりして、日本にいながら世界中どこにでもバーチャルに旅ができるような気になるのですが、その場にいる人との一期一会のふれあいは、バーチャル旅行では得難い経験です。新規感染症が治まり、以前のように遠くても近くても、人と人が直接出会ってコミュニケーションできる世の中に戻って欲しい、と、切に願っております。それまでは皆様、どうぞ引き続きStay Safeでお過ごし下さい。

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