国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 REDD研究開発センター

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研究員現場レポート/ミャンマー政府森林局訪問記

ミャンマー政府森林局訪問記

鷹尾元 鷹尾 元(森林総合研究所 森林研究管理領域 資源解析研究室長)
はじめに
2014年10月27~31日にミャンマーの首都ネピドーにおいて第35回アジアリモートセンシング会議が開催された。この会議に参加する機に、ミャンマー政府森林局(Forest Department)を訪問し、同国のREDD-plus Readiness RoadmapとREDDプラス関連プロジェクトの実施状況について聞き取りを行った。
ミャンマーREDD+ Readiness Roadmapとその実施状況
ミャンマーは国土面積が日本の約2倍、人口が約半分の国であり、減少傾向にあるものの国土の47%が森林で覆われている。ミャンマー政府は2013年7月にREDD-plus Readiness Roadmapをとりまとめた。この中で 、REDDプラス実施体制の整備や関係者の洗い出しと調整、政策候補の評価、セーフガード、REL/RL設定、国家森林資源モニタリングシステムの開発など6つの分野がうたわれている。Roadmap公表時に実施中または予定だった外部との協力プロジェクト一覧のうち、予定のものについては現時点では必ずしも実施に移されていない。
参考:Myanmar REDD+ Programme
森林局におけるリモートセンシング(RS)とGIS
森林局では計画・統計部RS&GIS課が担当している。この分野で博士号を取得した複数の職員を中心に職員9名作業員9名の陣容で、各国の支援などによる機材・ソフトを駆使し、全国森林マッピング、データ整備、地図作製、研究・訓練、内外の様々なプロジェクト(マングローブ林モニタリング、森林炭素蓄積マッピング、ハザードマッピング等)を実施している。また、ミャンマー政府の空間情報公開基盤構想「OneMap Myanmar」でも中核的な役割を担おうとしている。なお、上記の会議の開会式には環境保全森林大臣を含む5閣僚が臨席した。さらに、森林分野の会議ではないにもかかわらず林業大学学長と森林局局長が開会式と閉会式にそれぞれ基調講演を行い、同国のこの分野における森林局の存在感を示した。
今後の協力の可能性
森林局はRoadmapに既存のREDDプラス関連協力事業を位置づけ、また新規事業で未達成の穴を埋めようとしている。重複を避け協力の効率化を図るために、既存の事業との協働や資源の再利用の重要性が認識されている。また、これまで事業ごとに互換性のないまま実施されてきた様々な仕様の標準化が求められている。
モニタリング分野では、RS/GIS分野は上述の通り森林局中央に能力があるものの裾野は狭い。一方、地上調査に基づく炭素蓄積量のデータは不足している。標本調査のパイロットプロジェクトを実施しているが、現場職員のキャパシティも不足している。
森林局担当者はキャパシティ・ビルディングの必要性を繰り返し強調した。かつてのJICAプロによる研修施設がフル稼働しているが、機材やコンテンツが不足している。森林局は協力事業における継続性の必要性を強調していた。
おわりに
森林局職員を中心に意見を交換したところであるが、ミャンマー政府のREDDプラスに対する期待は高く、情報収集と現状認識は正鵠を射ているとの印象を得た。ミャンマーは今後REDDプラス実施国としての存在感を増すものと思われる。
調査に当たりご協力いただいたアジア航測(株)にお礼申し上げます。