国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 REDD研究開発センター

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研究員現場レポート/日韓台シンポジウム (参加報告)

日韓台シンポジウム - 持続可能な森林生態系管理 (参加報告)

森林総研REDD研究開発センター 平田 泰雅

概要

2015年9月1日から3日、台湾・国立嘉義大学で持続可能な森林エコシステム経営に関する日韓台シンポジウム(Joint International Symposium By Japan, Korea and Taiwan "International Symposium on Sustainable Forest Ecosystem Management in Rapidly Changing World")が開催されました。今回は、台湾の國立宜蘭大學(2012年9月)、鹿児島大学(2013年9月)、ソウル大学(2014年5月)に続き4度目の開催で、嘉義大学の林金樹教授を中心とした台湾のスタッフがシンポジウムの運営に当たられ、台湾、日本、韓国から森林管理分野の研究者約60名の参加者を集め、34件の研究発表が行われました。森林計測技術、持続的な森林管理からモニタリング、モデリングといった話題が提供され、専門分野が近い研究者が集まっていたことから活発な議論がなされました。

森林総研のREDDプラスに関する研究発表

森林総研からは平田が、「REDD+実施における国レベルでの森林炭素蓄積とその変化のモニタリング(Monitoring of forest carbon stocks and their changes at a national level in REDD+ implementation)」というタイトルで、これまでREDD研究開発センターで実施してきたREDD関連のプロジェクトをもとに、REDDプラス実施に向けたリモートセンシングを用いた発展途上国における森林管理のための森林のモニタリング手法についての発表を行いました。発表では、IPCCでの排出量推定手法を基礎とした森林炭素のモニタリング手法を紹介し、カンボジアでの事例を紹介しました。会場からは衛星画像の分類における分類クラス設定の方法、国レベルでのモニタリングの際の衛星データの選択の仕方についての質問があり、特に分類クラスで竹林のように分類が困難なものに対しては他の地理情報が必要なこと、衛星データの選択には、コストや継続性も考慮に入れて選択する必要があることを説明しました。

韓国林野庁によるREDDプラスに関連する話題

今回のシンポジウムでは韓国林野庁がREDDプラスのためのプロジェクトをミャンマー森林局とともに実施していることが紹介されました。プロジェクトでは、ミャンマー国内の4つの保護林(210,000ha)において4つの炭素プール(地上バイオマス、地下バイオマス、枯死木、リター層)での炭素量を計るというもので、121プロットのデータを集めて解析が行われました。また、1999年と2014年のLandsat衛星画像の解析から森林タイプを分類し、森林炭素量の減少を算定しています。

おわりに

シンポジウム参加者

今回のシンポジウムでは、持続可能な森林エコシステム経営に関する研究集会であることから生態系保全の観点からの発表や、少数民族による森林管理に関する発表も見られました。REDDプラスの実施に向けては、セーフガードへのとり組みも重要な課題であり、REDDプラスを想定した発表以外にも参考になる研究について意見交換ができ、有意義なシンポジウムでした。