本セミナーは終了しました
第一回公開セミナー「実践から学ぶREDDプラス―国際交渉・現場と研究開発をつなぐ―」
公開セミナー報告
本公開セミナーでは、国際交渉や現場におけるREDDプラス活動の最新の動向に関する講演、関連学会員や研究者による関連研究の動向や最新技術に関する講演、ポスター発表が行われた。
発表に対する質疑応答と総合討論により、REDDプラスの実施に向けた研究開発の方向性や関係者間の連携方策について活発な意見交換が行われた。 本公開セミナーには、関係省庁、政府機関、NGO、民間企業等から212名が参加しました。
- 開催日時
2011年10月14日(金) 9:20 ~17:00
- 会場
- UDXカンファレンス 6階 会議室ABC
- 〒101-0021 東京都千代田区外神田4-14-1
- 主催
- 独立行政法人森林総合研究所
趣旨
地球温暖化をもたらす二酸化炭素排出量の約 2 割が森林劣化・減少から発生するものであることが判明し、途上国における持続可能な森林経営を支援する仕組みの構築が求められている。そこで注目されたのが REDD プラスである。その最大の特徴は、削減量または吸収量に応じて途上国が経済的インセンティブを得られるというメカニズムを指向している点にある。ただし、その量を明確に算定しない限り、実施は困難であるため、参照レベルやモニタリング手法が技術的課題となっている。さらに、生物 多様性保全、地域経済やコミュニティへの貢献などの効果への期待が高まる一方、REDD の実施により悪影響が及ぶ可能性も指摘され、セーフガードの議論が進んでいる。日本国内においては、関係機関の連携強化と、研究者・技術者のさらなる参画が不可欠である。さらに、二国間クレジット制度への対応も必須とされる。
関係省庁、NGO、民間企業等の実務者と研究者との情報共有と連携促進を図ることにあるとし、二国間クレジット制度を想定したガイドライン策定や方法論確立の必要性や問題点を議論・共有を目指した。
プログラムと発表ファイル
氏 名 | 所 属 | 講演タイトルと発表ファイル | 報告書 |
---|---|---|---|
オープニング | |||
鈴木 和夫 | 独立行政法人 森林総合研究所 理事長 | 主催者挨拶 | 報告書 |
沼田 正俊 | 林野 庁次長 | 来賓挨拶 | 報告書 |
松本 光朗 | 独立行政法人 森林総合研究所 REDD研究開発センター長 | 開催趣旨 | 報告書 |
基調講演 | |||
平石 尹彦 | 財団法人 地球環境戦略研究機関 上級コンサルタント IPCCインベントリタスクフォース 共同議長 | 気候変動交渉におけるIPCCと科学者の役割 | 報告書 |
セッション1: REDDプラス - その枠組と国家戦略 進行: 独立行政法人 森林総合研究所 塚田 直子 |
|||
中野 潤也 | 外務省 国際協力局 気候変動課 | 国際交渉の現状とダーバンCOP17の見通し | |
松澤 裕 | 環境省 地球環境局研究調査室 | REDD+による気候変動リスクへの対応と我が国の貢献 | 報告書 |
堀内 めぐみ | 経済産業省 産業技術環境局 地球環境対策室 | 二国間クレジット制度におけるREDD+事業 | 報告書 |
上田 浩史 | 林野庁 海外林業協力室 | 途上国の森林の取扱いを巡る議論の動向と課題 | 報告書 |
セッション2: REDDプラス現場からの報告 進行: 国際熱帯木材機関 後藤 健 |
|||
池田 修一 | 独立行政法人 国際協力機構 地球環境部 | JICAのREDD+関連協力の現状・方針と国内関係機関との連携 | 報告書 |
千葉 裕起 | 社団法人 海外林業コンサルタンツ協会 | 「ベトナムでのREDD+実施活動促進セミナー」についてJICA開発調査「ベトナム国気候変動対策の森林分野における潜在的適地選定調査」の実践を通じて | |
佐野 滝雄 | アジア航測 株式会社 環境部 | ラオス国における森林減少劣化防止取組支援事業とREDD+について | 報告書 |
鈴木 圭 | 一般社団法人 日本森林技術協会 森林情報グループ | カンボジア王国プレアビヒア州Phnom Tbeng保護林におけるREDD+実現可能性調査 | 報告書 |
加藤 真男 | 丸紅株式会社 地球環境プロジェクト部 グリーンプロジェクト課 | インドネシア・中部カリマンタン州泥炭地における森林保全(REDD+)によるGHG削減事業 | 報告書 |
浦口 あや | 独立行政法人 森林総合研究所 REDD研究開発センター長 | 保全契約を通じたコミュニティによる森林保全:マダガスカルとカンボジアからの事例 [ | 報告書 |
山田 俊弘 | コンサーベーション・インターナショナル・ジャパン | マレーシアにおけるコリド植栽と低インパクト伐採のREDDへの可能性 | 報告書 | 総合討論(1) | REDD プラスの研究開発には何が求められているのか?研究者への直言 | 報告書 |
松本 光朗 | 独立行政法人 森林総合研究所 REDD研究開発センター長 | 1日目のまとめ | 報告書 |
氏 名 | 所 属 | 講演タイトルと発表ファイル | 報告書 |
---|---|---|---|
セッション3: 森林炭素モニタリングへの道筋 進行: 東京大学大学院 農学生命科学研究科 露木 聡 |
|||
平田 泰雅 | 独立行政法人 森林総合研究所 REDD研究開発センター | 森林炭素モニタリング技術開発の現状 | 報告書 |
粟屋 善雄 | 岐阜大学 流域圏科学研究センター | 衛星データを利用した森林モニタリング-REDD+への貢献の可能性- | 報告書 |
山形 与志樹 | 独立行政法人 国立環境研究所 地球環境研究センター | リモートセンシングとプロセスモデルを用いた森林炭素監視システムの開発 | 報告書 |
島田 政信 | 宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター、研究領域総括 | ALOS/PALSARによる森林減少抽出について | 報告書 |
斎藤 悠樹 | 次世代宇宙システム技術研究組合 | 超小型衛星網による森林火災の高頻度検知、配信システムの開発 | 報告書 |
総合討論(2) | 衛星データはどこまで使えるのか? | 報告書 | |
セッション4: REDDプラスのガバナンス、セーフガード 進行: 独立行政法人 森林総合研究所 横田 康裕 |
|||
福嶋 崇彦 | 早稲田大学 人間科学学術院 | 最貧国におけるREDDプラスポテンシャル - タンザニアを事例として - | 報告書 |
ラチンバザフィ・ラライナ・シンシア | 兵庫県立大学 環境人間学部 | コミュニティー参加型森林管理におけるガバナンスと利益の共有 - マダガスカル・マキラREDDプロジェクトの事例より | 報告書 |
岩永 青史 | 筑波大学大学院 生命環境科学研究科 | 泥炭湿地における地域住民を主体としたREDD+実施の可能性と課題: インドネシア・中央カリマンタン州における活動から | 報告書 |
三柴 淳一 | 認定NPO法人 FoE Japan | REDDプラスのセーフガード~パイロットプロジェクトから見えた幾つかの懸念~ | 報告書 |
百村 帝彦 | 九州大学 熱帯農学研究センター | REDD+実施におけるセーフガードの留意点 - REDD+プロジェクトの課題と展望 - | 報告書 |
総合討論(3) | REDD プラスを社会の中でどう運用するか? | 報告書 | |
セッション5: REDDプラスの制度設計 進行: 早稲田大学 天野 正博 |
|||
山ノ下 麻木乃 | 財団法人 地球環境戦略研究機関 自然資源管理グループ | REDD+のフェーズアプローチにおけるコミュニティのキャパシティビルディングの必要性 - A/R CDMからの考察 - | 報告書 |
高橋 健太郎 | 財団法人 地球環境戦略研究機関 市場メカニズムグループ会 | REDD+メカニズム構築に向けた課題と今後の展望 - 市場メカニズムアプローチ導入に向けて - | 報告書 |
仲尾 強 | イー・アール・エム日本株式会社サステナビリティマネジメントチーム | REDD+プロジェクトによる温室効果ガス排出削減量の信頼性 | 報告書 |
平塚 基志 | 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 環境・エネルギー部 | REDDプラスの動向を踏まえたガイドライン開発の方向性 | 報告書 |
総合討論(4) | REDDプラスクレジットメカニズムへの道のりは? | 報告書 | |
クロージングセッション | |||
松本 光朗 | 独立行政法人 森林総合研究所 REDD研究開発センター長 | まとめ | 報告書 |
氏名 | 所属 | タイトル |
---|---|---|
鈴木 圭 | 独立行政法人 森林総合研究所 REDD研究開発センター | ベトナム国における参照排出レベルの開発~気候変動対策の森林分野における潜在的適地選定調査からの知見~ |
仲摩 栄一郎 | 財団法人 国際緑化推進センター | 海外植林地における炭素蓄積量の推定精度評価: ベトナム国QPFL産業植林地の事例 |
飯田 敏雅 | 財団法人 国際緑化推進センター | 多様な主体の参加促進による海外における森林保全・復旧の促進 - その取り組みと実施体制 - |
山本 亮 | 株式会社 ワイエルインベスト | インドネシア共和国南スマトラ州におけるマングローブREDD+プロジェクト |
Jonah Busch 名取 洋司 |
コンサベーション・インターナショナル | REDD+政策設計のための経済モデル |
広瀬 和世 | 北海道大学 サスティナビリティ学教育研究センター 准教授 | Comprehensive MRV System in Tropical Peatland Ecosystem |
諏訪 錬平 | 独立行政法人 森林総合研究所 | 北西ブラジルアマゾンの森林バイオマスと地形 |
田中 憲蔵 | 独立行政法人 森林総合研究所 REDD研究開発センター | マレーシア劣化二次林の高精度なバイオマス推定式の開発 |
門田 有佳子 | 独立行政法人 森林総合研究所 REDD研究開発センター | カンボジアの常緑林における林分構造と成長速度の地域差 |
佐藤 保 | 独立行政法人 森林総合研究所 森林植生研究領域 | 長期森林動態データを活用した東アジア森林生態系炭素収支観測ネットワーク(EA-FDPN)の構築 |
千葉 幸弘 | 独立行政法人 森林総合研究所 REDD研究開発センター | 森林モニタリングのための樹形および森林の構造解析とその応用 |
塩沢 恵子 | 株式会社アドイン研究所 | 小型レーザスキャナによる森林の3次元計測技術 |
道中 哲也 | 独立行政法人 森林総合研究所 REDD研究開発センター | 世界各国の社会発展と森林面積変化の関係 |