論文
"Approximating Forest Resource Dynamics in Peninsular Malaysia Using Parametric and Nonparametric Models, and Its Implications for Establishing Forest Reference (Emission) Levels under REDD+" Land 2018, 7(2): 70, 2018.06, ISSN 2073-445X
(半島マレーシアの森林資源動態分析及びそのREDD+参照レベルの策定への意義:パラメトリックとノンパラメトリックモデルを用いて)
リンク先
http://www.mdpi.com/2073-445X/7/2/70
著者
道中哲也(林業動向解析研究室 主任研究員)
概要
REDD+の実施には、森林(排出)参照レベル(FREL / FRLs)の提出が必要である。2018年1月現在、すでに34カ国がUNFCCCに森林(排出)参照レベルを提出した。中に、多くの国が平均法で森林(排出)参照レベルを算出したが、森林転換(FT)の段階の状況を示さず、なぜこの期間の平均値が良いかは示されていない。
本研究は、半島マレーシアにおける森林面積動態を研究対象とし、1971年から2016年までの森林面積と1人当たりGDPの年次時系列データを用い、パラメトリックとノンパラメトリック回帰モデルで曲線あてはめを行った。
具体的には、本研究で扱っているパラメトリックモデルは、線形、二次、三次、四次関数、累積関数、双指数関数、ゴンペルツ成長、およびミカエリス-メンテンモデルからなる。ノンパラメトリックモデルは、Friedman局所平均モデル、Nadaraya-Watsonモデル、およびCleveland局所回帰モデルからなる。
本研究の推定では、パラメトリックモデルでは双指数関数が最適であることがわかった。また、ノンパラメトリックモデルの結果は、1971年以来、マレーシア半島森林動態が4つのサブステージに分け、各サブステージは線形傾向を示すが、まだ森林転換の転換点には達していないことを示した。さらに、1人当たりGDPが約8000米ドルに達した後の時期において森林(排出)参照レベルを平均法で算出すれば良さそうという結果も得た。
図7 ノンパラメトリックモデルの曲線あてはめ