ミャンマーC/Pとの打ち合わせと現地調査
道中哲也(森林総合研究所 林業経営・政策研究領域 主任研究員)
古川拓哉(森林総合研究所 生物多様性研究拠点 研究員)
日程
2017年7月19日~7月29日(11日間)
出張先
ミャンマー連邦共和国
概要
カウンターパートの森林研究所研究員と打ち合わせを行ない収集したデータの確認と改善すべきことについて議論した。関連する人口局、統計局、国連人口基金(UNFPA)ミャンマー事務所にて統計データ収集も行った。その結果、州・管区レベルのNDP(国内純生産)データを入手したが、農業GDPデータの収集は完了しなかったためカウンターパートが続けて収集を行うこととした。
2005年と2010年の州・管区の人口データに関しては人口局次長に依頼した。現地調査は、ゴム農園の拡大により森林が減少しているモン州にて行った。傾斜地や岩石の多い地域以外に多くの森林がゴム農園に転用されたこともわかった。モン州では、利用可能な土地の制限がありゴム農園がさらに拡大される可能性は低いものの、他の州に拡大する可能性は否定できないと思われた。
入手した2005年、2010年、2015年との3時点の森林面積データと合わせて、2005年、2010年、2015年の経済発展のデータ(工業GDP、農業GDP、国内純生産)と人口データが揃うことで、社会経済発展と森林面積の変化との関係について、定量分析手法のパネル分析を実施する予定である。
しかし、州・管区レベルの工業GDP、農業GDP、国内総(純)生産などの統計データは公表されていないため、州・管区レベルの2005年、2010年、2015年の農業GDPデータと、2005年と2010年の人口データも森林研究所に依頼中である。それによって得られた結果は、REDD+事業の実施に必要な森林減少の参照レベルの策定に参考となる。
今後も、州・管区レベルのデータの収集を行う予定であるが、プロジェクトレベルの森林減少の参照レベルと準国レベルと国レベルと関係(スケールアップ)を把握するには、プロジェクト地域の社会経済状況についても調査する必要がある。ミャンマーで現地調査を実施するためには森林局の協力が非常に重要であることを再確認した。