UNFCCCボン気候変動会合、UNFCCC資金に関する常設委員会第3回フォーラム、FAO第14回世界林業会議、UNFF第11回会合等
=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+ 本メールマガジンは、送信を希望された方のほか、過去に名刺交換 をさせていただいた方にもお送りしています。メール配信を希望さ れない方はお手数ですが下記宛にご一報下さい。 redd-rd-center@ffpri.affrc.go.jp =+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+= ◇◇◇ 森林総研REDDセンターだより2015年度 No.1 ◇◇◇ 発行年月日: 5/22/2015 森林総合研究所 REDD研究開発センター 事務局 ☆★☆★☆★☆★☆★☆☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ ◇◇◇ トピックス ◇◇◇ ◆ 1. 巻頭言 (REDD研究開発センター長 松本光朗) ◆ 2. 会議, イベント情報 2.1 UNFCCCボン気候変動会合(ドイツ、ボン) 平成27年6月1日(月)~6月11日(木) 2.2 UNFCCC資金に関する常設委員会第3回フォーラム 「森林のための資金」(南ア、ダーバン) 平成27年9月8日(火)~9月9日(水) 2.3 FAO第14回世界林業会議 (南ア、ダーバン) 平成27年9月7日(月)~9月11日(金) ◆ 3. 会議, イベント報告 UNFF第11回会合 (米国、ニューヨーク、国連本部) ◆ 4. 国内外インフォメーション (各省庁リリース、海外ニュース等) ◆ 5. 文献紹介 ◆ 6. REDDセンターウェブサイト更新のお知らせ ◇ シリーズ 森林と国際関係のお知らせ =+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+= ◆ 1. 巻頭言(REDD研究開発センター長 松本光朗) 気分一新、今年度より新しいREDD事業が始まりました。 これまで、REDD研究開発センターは、林野庁のREDD推進体制緊急 整備事業を受け、政策研究や森林炭素モニタリング技術の開発を通 して、REDDプラスクックブック、JCMのためのガイドラインを開発 しました。また、REDDプラスに関する研修、国際セミナーの開催を 通し、国内外でのREDDプラスの推進に貢献してきました。 これらの成果をふまえ、今年度からは「REDD+推進民間活動支援 事業」が始まりました。この事業では、JCMなど民間のREDDプラス への参加や活動を支援することを目指します。 早速、5月18日、私はインドネシアで開催されたJCMの共同委員会 に参加し、REDDプラス方法論開発ガイドラインを提案しました。 インドネシア側と前向きな議論を交換するとともに、より専門的な 議論を深めるため、共同委員会のもとREDDプラスのための特別会議 を開催することが合意されました。 すでにJCMは13カ国と合意していますが、共同委員会でREDDプラス について議論するのはこれが初めてでした。このインドネシアとの 共同委員会での議論と展開は、今後の他国でのREDDプラスの議論に も波及するでしょう。REDD研究開発センターは、インドネシアでの JCM REDDプラスの早期実施を目指し、民間のプロジェクト参加を支 援します。 =+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+= ◆ 2. 会議, イベント情報 2.1 国連気候変動枠組条約UNFCCCボン気候変動会合(ドイツ、ボン) 平成27年6月1日(月)~6月11日(木) ADP2-9、SBI42、SBSTA42(注1-3)が同時開催 SBSTA42でセーフガード情報提供システムのさらなるガイダンスの 必要性、非市場アプローチ、非炭素便益の3項目について検討が 行われる予定、 6月8日(月)にREDDプラスの支援の調整に関する 第2回自主会合が開催されます。ADP2-9では、年末のパリで2020 年以降の枠組みに合意することを目指し、2月のジュネーブ会合で 取りまとめられた交渉テキストをもとに議論が行われます。 UNFCCC 注1: Ad hoc Working Group on the Durban Platform for Enhanced Action(強化された行動のためのダーバン・プラット フォーム特別作業部会) 注2: Subsidiary Body for Implementation(実施に関する補助機関) 注3: Subsidiary Body for Scientific and Technological Advice (科学上及び技術上の助言に関する補助機関) 参考   2.2 UNFCCC資金に関する常設委員会第3回フォーラム 「森林のための資金」(南ア、ダーバン) 平成27年9月8日(火)~9月9日(水) UNFCCCの資金に関する常設委員会(SCF)の下で開催される森林資金 のフォーラムが、FAOの第14回世界林業会議と併せて開催されます。 このフォーラムは、UNFCCC 第19回締約国会議(COP19)で合意した 「REDDプラスのためのワルシャワ枠組み」に基づき、REDDプラスを 含む途上国の森林関連の資金の一貫性と協調を促進することが目的 です。1日目は森林に関する官民含む様々な資金と資金メカニズム、 2日目は結果ベース支払い等の事例報告の予定です。関連情報につ いては、UNFCCCウェブサイト「SCF第9回会合報告」5 とAnnex I をご参照ください。 2.3 FAO第14回世界林業会議 (南ア、ダーバン) 平成27年9月7日(月)~9月11日(金) FAOが6年に一度開催する世界最大の森林・林業イベントです。 今回のテーマは「Forests and People: Investing a Sustainable Future」。その心は、森林への投資は人々への投資で あり、ひいては持続可能な開発につながる、ということ。社会経済 開発と食糧安全保障、商品開発と持続可能な貿易、森林モニタリング、 ガバナンス等の6つのサブテーマの下に、幅広い議論と情報交換が 行われます。5月30日までに申し込んだ参加者は参加費に割引が適用 されます。 REDDセンター「イベント情報」 =+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+= ◆ 3. 会議, イベント報告 第11回 国連森林フォーラム(UNFF11)会合 (米国、ニューヨーク、国連本部) 5月4日から15日まで、国連本部において、「第11回 国連森林フォー ラム(UNFF11)」が開催され、約120カ国の国連加盟国が出席しました。 今次会合においては、先進国、途上国間で様々な議論がみられまし たが、現行の国際的な森林の枠組を強化し、2030年まで延長すること を決定するともとに、これまでの政策対話のフォーラムに加えて、実 施レビューのフォーラムを隔年で開催し、持続可能な森林経営の各国 での実効性を高めることで合意されました。この結果、各国林業担当 大臣のコミットメントとしての閣僚宣言と、その具体的措置内容を盛 り込んだ決議が採択されました。閣僚宣言には、気候変動枠組条約交 渉が気候変動の緩和と適応の双方への森林の重要性について考慮する こと、地球環境ファシリティ(GEF)や緑の気候基金(GCF)が持続可能 な森林経営を支援すること、などを招請するなどの文言が盛り込まれ ました。 UNFF 林野庁「第11回 国連森林フォーラム(UNFF11)」の結果 (追って閣僚宣言の仮訳もアップされる予定です。) =+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+= ◆ 4. 国内外インフォメーション ☆ UNFCCC第21回締約国会議(COP21)関係情報(大使館等) http://www.ambafrance-jp.org/-rubrique1823- http://www.ambafrance-jp.org/article8400 http://www.cop21.gouv.fr/en ☆ 環境省報道発表資料 日・サウジアラビア間の二国間クレジット制度の構築について(お知らせ) (5月18日) ☆ 外務省 ODAと地球規模の課題 エネルギーと気候に関する主要経済国フォーラム(MEF)第21回会合 (4月27日より) 第7回太平洋・島サミット「気候変動・開発フォーラム」の開催及び 「緑の気候基金」に対する拠出(5月21日より) ☆ Ecosystem Marketplace, Forest Carbon News ① ペルーのNGO、AIDERが、マドレデディオスの保護地区のバッファー ゾーンで、複数企業への炭素クレジット販売収入を活用して高品質の カカオ栽培技術を導入することにより、持続可能な森林保全の枠組み を構築。(4月15日号より) ② インドネシアがノルウェーの資金提供により2年間のコンセッション 停止をさらに2年間延長。(4月15日号より) ③ アフリカ最大のREDDプラスプロジェクトの一つ、マラウィの Kulera Landscape森林減少・劣化排出削減プログラムが、米国のマイクロソフ ト社に最初の炭素クレジットを販売。マイクロソフト社は森林保全への 資金提供に貢献するだけではなく、同社の携帯電話技術を提供すること により地域のコミュニケーションの改善と移動のための燃料費の削減に も貢献。(5月13日号より) 詳細情報 参考資料 (Ecosystem Marketplace, Forest Carbon News) =+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+= ◆ 5. 文献紹介 ① 原田一宏ほか: REDDプラスの社会セーフガードは森林保全および地域 住民の生計向上にどのような効果をもたらすのか?-インドネシア共和国 東ジャワ州メルベティリ国立公園の事例; Land 2015, 4(1), 119-139. 概要: インドネシアの国家REDDプラス戦略では、森林保全を成功に導く ためには、住民参加と土地保有制度の改善が不可欠であることが強調さ れている。インドネシアではREDDプラスの主要な対象地の1つとして国 立公園があげられているが、インドネシアの国立公園は、森林破壊や政 府(国・州)と地域コミュニティの間の対立が課題となっている。本論文 では、(1) 行政やNGO、住民を含む多くの関係者が協力して実施されてい るインドネシアのメルベティリ国立公園でのREDDプラスプロジェクトの 展開経緯、(2) REDDプラスプロジェクトの住民への社会的、経済的影響、 (3) REDDプラスプロジェクトの関係者の意識と参加動機に関する調査を 行った。その結果、プロジェクトに参加した地域住民は必ずしもREDDプ ラスの仕組みについて理解していないが、間作の権利など生計向上の機 会を得ることによって森林保全への動機を維持していることが明らかに なった。 詳細 ② 海外の森林と林業(No.92, 2015)は、REDDプラス特集号です。「特 集REDDプラスと企業、NGO/NPO」に関する以下 1)~8)の記事は、著作 権者である国際緑化推進センターの許可をいただき、REDDセンターの ウェブサイトを通じて公開しております。ご活用下さい。 1) 松本光朗: REDDプラスの現状とこれから, pp.3-8. 2) 増古恵都子:「森から世界を変えるREDD+プラットフォーム」の設立- 官民共同で途上国の森林保全に取り組む, pp.9-14. 3) 佐藤裕隆: 実証活動・実現可能性調査の実施を通じて民間企業の目線 でREDDプラスを考える, pp.15-21. 4) 井上泰子,中西武志: モザンビーク・ガザ州における食糧安全保障強化 のためのアグロフォレストリー カーボンオフセット プロジェクト, pp.22-27. 5) 稲田徹,小田川信哉: カムソコ・カレジサモアにおけるREDDプラスを 通じた森林保全への取り組み, pp.28-33. 6) 浦口あや: 自然資本と森林保全 - ペルーの事例, pp.34-39 7) 坂本有希: REDDプラスプロジェクトのためのFPICガイドライン - 社会 セーフガード実施のためのツール, pp.40-45. 8) 石塚森吉: REDDプラス関連用語の解説, pp.46-48. =+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+= ◆ 6. REDDセンターウェブサイト更新のお知らせ ☆ 新着情報を更新しました。 ☆ 文献検索をご活用下さい。 =+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+= ◇ シリーズ 森林と国際関係のお知らせ 森林保全や管理を促進する国際制度設計は、国連気候変動枠組条約だけ でなく、生物多様性条約、国連森林フォーラム等の様々な国際レジーム の下で議論されています。来月から、「森林と国際関係」をテーマに 現在注目されている様々なキーワードやニュース等を取り上げ、解説シ リーズを開始いたします。 (森林総合研究所 森田香菜子) =+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+= 編集後記♪ メルマガの読者の皆様、アメリカ合衆国を旅行されるときに、メガ バスに乗った経験はありますか?数年前、私がウィスコンシン州マジ ソンから乗ったメガバスは、終点のミネソタ州ミネアポリス到着前に、 大通りのど真ん中で急に止ってしまい(多分ガス欠)、乗客達は運転手 をかわいそうなほど激しく罵り、それぞれに携帯を手にしながら迎え を手配して怒りを爆発させながら散って行きました。合衆国での長距 離運転が怖い私は、それでも懲りずにメガバスを何度も利用しました が、道路の真ん中で止ったのは一度だけでした。 今日では、そのメガバスでさえ?「環境ビジネス」に立派に参画し ています。乗客が提示される判断基準を基に運転状況を赤、黄、緑に 投票(緑が良い運転)、ひいては、温室効果ガスを排出しなくなる、地 球環境にも優しいという、この"Greendriver"プログラムは、既にイ ギリスのメガバスでテストされ、成功しているそうです。 詳細 このような消費者が気軽に参加できる環境プログラムは、日本では まだ少ないような気がします。森林保全についても、海外の企業を中 心に、商品原料のゼロデフォレステーションを宣言する動きが広がり つつありますが、消費者が自ら選択できるような仕組みには、もっと いろいろなアイデアの可能性がありそうです。 ◆ 本メールマガジンは、送信を希望された方のほか、過去に名刺交換 をさせていただいた方にもお送りしています。連絡先の変更や追加等 のご連絡、情報提供、メルマガに関するご意見等、下記アドレスまで お寄せ下さい。また、メール配信を希望されない方は、お手数ですが 下記宛にご一報下さい。 redd-rd-center@ffpri.affrc.go.jp ◇◇◇ 森林総合研究所 REDD研究開発センター ◇◇◇ URL: http://redd.ffpri.affrc.go.jp (メルマガ担当: 国際連携推進拠点 川元スミレ) 〒305-8687 茨城県つくば市松の里1 国立研究開発法人 森林総合研究所内 Phone: 029-829-8365; FAX: 029-829-8366