第14回世界林業会議、 ADP2-10等報告、 REDD+ プラットフォームイベント案内、シリーズ 森林と国際関係(3)、 国内外インフォメーション等
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◇◇◇ 森林総研REDDセンターだより2015年度 No.4 ◇◇◇
発行年月日:9/30/2015
森林総合研究所 REDD研究開発センター 事務局
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◇◇◇ トピックス ◇◇◇
◆ 1. 会議・イベント報告
1.1 ADP第2回会合第10セッション(ドイツ ボン8/31-9/4)報告
1.2 FAO第14回世界林業会議(南アフリカ ダーバン9/7-9/11)報告
1.3 UNFCCC資金に関する常設委員会第3回フォーラム-森林資金の
一貫性と調整の強化-(南アフリカ ダーバン9/8-9/9)報告
1.4 国連持続可能な開発に関するサミット(米国 ニューヨーク
9/25-9/27)
◆ 2. REDD+ プラットフォームイベント案内
2.1 REDD+ プラットフォームpresents オープンイノベーション
WORKSHOP(10/9)
2.2 日経BP環境経営フォーラム15周年記念シンポジウム
-進化するサステナブル経営- (10/21)
◆ 3. 国内外インフォメーション
① REDD+ のためのワルシャワ枠組みによる最初の審査報告書公表
-ブラジルが30億トン削減-
② UN-REDD、森林減少の要因を指摘
③ 森林減少対応貢献ランキング公表
◆ 4. シリーズ ☆ 森林と国際関係 (3) -気候変動への適応策-
◆ 5. 著書等紹介
◆ 6. REDDセンターウェブサイト更新のお知らせ
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◆ 1. 会議・イベント報告
1.1 ADP第2回会合第10セッション報告
8月31日~9月4日、ドイツ・ボンにおいて国連気候変動枠組条約(UNFCCC)
第21回締約国会合(COP21)に向けて、「強化された行動のためのダーバン・
プラットフォーム特別作業部会(ADP)」第2回会合第10セッションが行われ、
我が国から、外務・経済産業・環境・農林水産・国土交通各省関係者が出席、
2020年以降の枠組におけるREDD+の位置づけについても議論が行われました。
次回会合は10月19日~10月23日にドイツ・ボンにおいて開催される予定です。
我が国から参加した林野庁の塚田森林保全推進官による概要報告をREDDセン
ターウェブサイトに掲載しました。
REDDセンターウェブサイト
ADP2-10作業結果(英文)
関連情報:外務省報道発表資料(9月9日)
注: ADP(Ad hoc Working Group on the Durban Platform for
Enhanced Action、強化された行動のためのダーバン・プラットフォーム
特別作業部会)
1.2 FAO第14回世界林業会議報告
9月7日~11日、南アフリカ、ダーバンで第14回 世界林業会議が開催され
ました。同会議は国連食糧農業機関(FAO)及びホスト国が主催、各国政
府、国際機関、大学/研究機関、産業界、非政府組織(NGO)の関係者な
ど、142カ国から3900名(約30名の森林担当大臣、副大臣を含む)が参加
しました。
第14回世界林業会議概要(林野庁ホームページ)
ダーバン宣言-森林・林業の2050年ビジョン(仮訳)、(原文)
持続可能な開発のためのアジェンダ2030の採択に向けた第14回世界林業会議
から国連総会サミットへのメッセージ(仮訳)、(原文)
第14回世界林業会議からの気候変動に関するメッセージ(仮訳)、(原文)
第14回世界林業会議報道資料(英文)
1.3 UNFCCC資金に関する常設委員会第3回フォーラム
-森林資金の一貫性と調整の強化- 報告
世界林業会議の中で9月8日~9日の二日間、「UNFCCC資金に関する常設委員会
第3回フォーラム~森林資金の一貫性と調整の強化~」が開催されました。我
が国から参加した林野庁の井上課長補佐による報告をREDD+に関連して行われ
た主な特別会合等の報告と併せてREDDセンターウェブサイトに掲載しました。
REDDセンターウェブサイト
詳細情報(UNFCCCウェブサイト)
1.4 国連持続可能な開発に関するサミット(米国・ニューヨーク)報告
9月25日~27日、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択する国連
サミットがニューヨーク・国連本部で開催、オバマ米大統領を始め、国連加盟
国の首脳及び閣僚等が参加、我が国からは安倍総理大臣が出席しました。持続
可能な開発目標とREDD+との関連性等について、REDDセンターメルマガ再掲
記事シリーズ「森林と国際関係」もご参照ください。
持続可能な開発のための2030アジェンダ(国連広報センター)
関連情報:外務省報道発表資料(9月28日)
国連サミットナレッジプラットフォーム、(動画)
REDDセンター「森林と国際関係」シリーズ
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◆ 2. イベント案内
2.1 REDD+ プラットフォーム presents
オープンイノベーションWORKSHOP(10/9)
REDD+ プラットフォーム(注)は、企業連携によるソーシャルビジネス
の立ち上げに豊富な経験を持つ谷中氏とともに、オープンイノベーショ
ンをテーマとしてREDD+をビジネスの視点で検討します。
講師:谷中修吾(ビジネスプロデューサー/
ビジネス・ブレークスルー(BBT)大学・BBT大学大学院専任講師)
日時:10/9(金) 15:00 - 17:00
場所:JICA市ヶ谷 600号室
〒162-8433東京都新宿区市谷本村町10-5
参加申込:REDD+ プラットフォーム事務局(redd_platform@jica.go.jp)
までメールでお問い合わせください。プラットフォーム会員以外の方でも
ご参加いただけますが、希望者多数の場合は会員を優先させていただく
ことがあります。
詳細
「森から世界を変えるREDD+プラットフォーム」への加盟申請は随時受け
つけています。同プラットフォームでは、官民が協力して途上国の森林保
全や気候変動対策、生物多様性保全、持続的な開発(貧困削減)を展開しま
す。ウェブサイトがリニューアルされています。
加盟申込み
REDD+プラットフォームメルマガ申込み
2.2 日経BP環境経営フォーラム15周年記念シンポジウム
-進化するサステナブル経営- (10/21)
日 時:平成27年10月21日(水)10:00-16:00予定
講演者:松本REDDセンター長他
場 所:ベルサール汐留
詳細は、後日、REDDセンターウェブサイトに掲載いたします。
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◆ 3. 国内外インフォメーション
① REDD+ のためのワルシャワ枠組みによる最初の審査報告書公表
-ブラジルが30億トン削減-
UNFCCCウェブサイトに、ブラジルのREDD+の結果ベース支払いのための提出
情報についての技術アセスメント報告書が公表されました。ブラジルは、
2006年から2010年までの間に、法定アマゾン地域における森林減少からの
排出削減活動によって、参照レベルと比較し29億7102万二酸化炭素トンの
排出削減を行ったとしており、この実績報告について国際専門家チームは
技術的に適正であるとの報告を行っています。
UNFCCCウェブサイト
② UN-REDD、森林減少の要因を指摘
UN-REDDプログラム(国連食糧農業機関(FAO)、国連環境計画(UNEP)、国連
開発計画(UNDP)の3つの国連機関により構成するREDD+推進のための連携
イニシアチブ)は、世界の森林減少の80%が政府補助金を伴う農業活動による
ものである、とする政策提言書を発表しました。
UNEPウェブサイト
③ 森林減少対応貢献ランキング公表
森林減少対策に取り組む民間非営利組織のGlobal Canopy Programme
(GCP)が、森林減少に関連する政府、民間企業、投資企業等500団体の森林
減少への対応度のランキングを公表しました。民間企業250社のランキング
では、我が国の花王がネスレ、ユニリーバ、P&G、などと並んで高い評価を
受けています。
リンク(英文)
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◆4. シリーズ ☆ 森林と国際関係 (3) -気候変動への適応策-
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)では、2015年12月にパリで開かれる第21
回締約国会合の下で、2020年以降の新しい国際枠組の合意を目指しています。
そのUNFCCCにおける新しい国際枠組は、温室効果ガスの排出削減や吸収に貢
献する気候変動の緩和策、気候変動の影響への対応策である適応策、資金・
技術・能力構築、経済的手法等に関連する様々な議題の下で並行して議論さ
れています。森林分野については、本メールマガジンで紹介している REDD+
や土地利用・土地利用変化及び林業といった緩和策の議論が注目されていま
す。しかし、適応策も今後持続的な森林の保全・管理を実現する上で重要な
対策です。
UNFCCCでは、緩和策と適応策は独立した議題として別々に検討されており、
森林分野を含む適応策の制度設計はREDD+や土地利用変化及び林業の議論と
は異なる交渉プロセスで議論されています。適応策の制度設計は、UNFCCCの
下で4つのワークストリームである、①損失と被害(途上国の気候変動影響
に伴う損失と被害への対処)、②ナイロビ作業計画(全ての締約国の適応に
関する知識向上の支援)、③国別適応計画(後発開発途上国の中・長期の適
応ニーズの特定とそれを満たす戦略・計画の策定・実施のための国別計画の
策定・実施)、④国別適応行動計画(後発開発途上国の適応の優先課題特定
の機会の提供)の下で検討されています。また、適応策の議論を支援するた
め、適応委員会(適応策の促進の検討)、後発開発途上国専門家グループ
(国別適応行動計画の戦略の準備・実施の支援)、損失と被害のためのワル
シャワ国際メカニズムの執行委員会(損失と被害の検討)が設立されていま
す。
森林分野の適応策の例としては、将来の気候変動に対応した種による植林・
再植林・森林再生、森林の種・組成の変化等が挙げられ、④の国別適応行動
計画等にこれらの森林分野の適応策を記述している国々もあります。また②
のナイロビ作業計画の中では、生態系の仕組みを基礎とした生態系ベース適
応(*生物多様性条約の議論の時にまた説明します)の可能性も検討され、
その事例として森林分野の適応策が注目されました。
UNFCCCでの森林分野の適応策の議論はまだ限定的ですが、学術分野では効
果的な森林分野の適応策、緩和と適応両方に貢献し得る森林分野の対策の可
能性について議論されています。効果的な森林分野の適応策を考える上では、
学術分野の貢献も期待されます。
(森林総合研究所 国際連携推進拠点 森田香菜子、執筆8月18日)
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◆ 5. 著書紹介
① 井上 真 & Shivakoti GP: Multi-level Forest Governance
in Asia:Concepts, Challenges and the Way Forward
出版社: SAGE Publications Pvt. Ltd (2015/8/11)
ISBN-13: 978-9351502593, 508pp
概要:14のアジアの国々における森林資源管理に関する政策の著しい多様性
を明らかにし、政策立案者、開発実施者、そして学識経験者に柔軟な政策を
提案することの重要性を強調、行政、NGO、効果的な森林管理のための学識
経験者への助言を提示しています。
14カ国:南アジアの5カ国(バングラディッシュ、インド、ネパール、スリラ
ンカ、ブータン)、東南アジアの6カ国(インドネシア、マレーシア、フィリ
ピン、タイ、ベトナム、ラオス)、東アジアの3カ国(中国、韓国、日本)
著書販売サイト ①
著書販売サイト ②
② 小林 紀之:森林環境マネジメント, 海青社 2015年2月
ISBN: 978-4-86099-304-7, 320ページ
概要:森林・林業をベースに、環境、温暖化問題の現状や課題を自然科学と
社会科学の両面から分析・解説。気候変動問題と森林との関わりについては、
第4講「地球環境問題とリオ宣言」、第13講 「地球温暖化をめぐる世界と日
本の取り組み」、第15講 「地球温暖化と森林・木材」、第16講 「森林吸収
源の経済的価値化」等の中で豊富な知識と著者の経験に基づき詳述されてお
り、世界の森林・林業と気候変動問題との関係を総合的に俯瞰することがで
きます。
著書販売サイト
REDDセンター文献検索をご利用ください。
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◆ 6. REDDセンターウェブサイト更新のお知らせ
- 新着情報
- イベントを更新しました。
- 研究コラムに森林と国際関係シリーズを加えました。
「森林と国際関係」
- REDD文献検索システムをご活用ください。
文献検索
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編集後記
8、9月は、久しぶりに渡米しました。燃料・家畜用トウロコシの広大なフィー
ルドは、夏の暑さのせいか茶色になっていました。ユナイテッド航空Eチケッ
トに占める「環境への取り組み」活動紹介割合は延々と長くなり、ホームセン
ターでの木材プラスチック複合物プランター(土に帰る、スタイリッシュでは
ないもの)は、日本よりずっと値段が高くなり、地元スーパーではマイバッグ
等の取り組みが前年より進みました。高速道路を走ると、風力発電がみえる光
景は、珍しくなくなったように思います。オバマ大統領は8月3日に『クリーン
パワー計画』Act On Climate!を発表(注)、アメリカ大使館のウェブサイト
には、同計画は、アメリカがこれまでに発表した気候変動と戦うための最も大
規模で最も重要なプランと記載されています。2030年までに発電所からの炭素
排出量を2005年比で3分の1にするほか、二酸化硫黄の排出量を90%、窒素酸化
物の排出量を72%削減する方針です。日本語字幕(右下のccをクリック)がある
短いプロモーションビデオ(ナレーションはオバマ大統領)をご覧ください。
米国民でなくても、とても、わかりやすいです。短く、わかりやすく、印象的
に地球規模の課題を一般市民に発信することの重要さを感じます。
注:クリーンパワー計画(オバマ大統領演説)、(動画)
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◆ 本メールマガジンは、送信を希望された方のほか、過去に名刺交換をさ
せていただいた方にもお送りしています。連絡先の変更や追加等のご連絡、
情報提供、メルマガに関するご意見等は、下記アドレスまでお寄せ下さい。
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