国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
REDDプラス・海外森林防災研究開発センター

文字サイズ

No.5 (11/5) ADP2-11・・・

ADP2-11報告、REDD+プラットフォームビジネスモデル分科会、COP21サイドイベント紹介、IGES気候変動に関する政府間パネル (IPCC) 公開シンポジウム 、シリーズ 森林と国際関係 (4)、国内外インフォメーション、文献等

=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+= ◇◇◇ 森林総研REDDセンターだより2015年度 No.5 ◇◇◇ 発行年月日: 11/5/2015 森林総合研究所 REDD研究開発センター 事務局 ☆★☆★☆★☆★☆★☆☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆       ◇◇◇ トピックス ◇◇◇ ◆ 1. 会議・イベント報告 ADP第2回会合第11セッション(ドイツ ボン10/19~10/23)報告 ◆ 2. イベント案内 -2.1 REDD+ プラットフォーム ビジネスモデル分科会(11/26) -2.2 UNFCCC第21回締約国会合(COP21)サイドイベント紹介(11/30-12/11) -2.3 IGES気候変動に関する政府間パネル(IPCC)公開シンポジウム   「異常気象と気候変動の科学~世界の気象キャスターと考える    私たちの未来~」(11/10) -2.4 日本科学未来館地球合宿2015 特別講演 「ヨハン・ロックスト ロームの地球~地球の限界を知ることは未来への道しるべ」(11/11) -2.5 REDDセンター国際セミナー (1/28) ◆ 3. 国内外インフォメーション   ① CBDワークショップ、気候変動と自然災害に対し生態系を考慮 した対策が重要と結論    ② UNEP,一般市民が国連環境総会に参加するためのポータル発表    ③ WRIニュース, OGPを通じて良好な森林ガバナンスを ◆ 4. シリーズ ☆ 森林と国際関係 (4) -気候変動と資金- ◆ 5. 文献等紹介 ◆ 6. REDDセンターウェブサイト更新のお知らせ =+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+==+=+=+=+=+=+=+=+= ◆ 1. 会議・イベント報告 -1.1 ADP第2回会合第11セッション報告 10月19日~10月23日、ドイツ・ボンにおいて国連気候変動枠組条約 (UNFCCC)第21回締約国会合(COP21)に向けて、「強化された行動 のためのダーバン・プラットフォーム特別作業部会(ADP)」第2回 会合第11セッションが開催され、2020年以降の全ての国が参加する 新たな気候変動対策の枠組に関する議論が行われました。我が国か ら参加した林野庁海外林業協力課の井上課長補佐によるREDD+関係の 議論についての概要報告をREDDセンターウェブサイトに掲載しました。 REDDセンターウェブサイト 10月23日の法的合意案およびCOP21決定案(ADP2-11最終テキスト案)(英文) 各国からの提案 関連情報:外務省報道発表資料(10月27日) 注: ADP(Ad hoc Working Group on the Durban Platform for Enhanced Action、強化された行動のためのダーバン・プラットフォーム 特別作業部会) =+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+==+=+=+=+=+=+=+=+= ◆ 2. イベント案内 -2.1 REDD+ プラットフォーム ビジネスモデル分科会   -REDD+ビジネスマッチング ビジネスモデル分科会では、具体的な事業を想定した仮想ビジネス マッチングをテーマにワークショップを開催します。REDD+、森林保全、 途上国での事業、CSR活動・・・等、少しでもご関心がありましたら、 ぜひご参加ください。 【日時】2015年11月26日(木)14:00~(13:30開場、2時間程度を予定) 【場所】JICA市ヶ谷研修所 600号会議室     最寄駅:JR・地下鉄 市ヶ谷駅       【概要】 ◯モデル地域をご紹介 - 森林減少・劣化の状況、地域の資源、現地の人々の暮らし ◯グループワーク: 事業参入のあり方についてディスカッション - 本業を活用して連携が可能? CSR効果を期待? - 参入の可否を判断するポイントは? - 仮想ビジネスは生まれるか? - 事業化に向けた今後の道筋は? 【参加申込み】 無料です。貴団体名、参加者名、参加人数をまとめてご記入の上、プラット フォーム事務局 (redd_platform@jica.go.jp)までメールにてご連絡くださ い。プラットフォーム会員以外の方でもご参加いただけますが、希望者多数 の場合は会員を優先させていただくことがあります。 【申込み締切】11月20日(金)17時 詳細 「森から世界を変えるREDD+プラットフォーム」への加盟申請は随時受け つけています。同プラットフォームでは、官民が協力して途上国の森林保 全や気候変動対策、生物多様性保全、持続的な開発(貧困削減)を展開しま す。 加盟申込 REDD+プラットフォームメルマガ申し込み ☆ REDD+プラットフォームメルマガにご登録いただくと、平成27年度終了 イベントレポートに容易にアクセスできます。 REDD+『第1回 ナレッジセミナー』 シンポジウム『REDDプラスの早期実現に向けて』 REDD+ プラットフォームpresents オープンイノベーションWORKSHOP 日経BP環境経営フォーラム 15周年記念シンポジウム ---------- -2.2 UNFCCC第21回締約国会合(COP21)サイドイベント紹介  2015年11月30日から12月11日まで、フランス・パリにおいて、気候変動 枠組条約の第21回締約国会議(COP21)及び京都議定書の第11回締約国会合 (CMP11)等が開催されます。今回の会合では、2020年以降の全ての国が参 加する新たな国際枠組みの合意が予定されており、2020年以降の枠組みに おけるREDD+の位置づけについても、議論の動向が注目されています。公式 会合と並行し、関係機関等が数多くのサイドイベントや展示が開催されます。 森林総合研究所REDD研究開発センターも、REDD+に関する4つのイベントを 予定しています。 ① 12月1日(14:30-16:00):「REDD+の実現に向けた日本の官民連携の取組」 主催:JICA、森林総合研究所、REDD+プラットフォーム(日本パビリオン) ② 12月8日(10:00-11:30):「熱帯林の減少及び劣化対策のための国際連携に よる気候変動緩和の取組」 主催:森林総合研究所、Center for Global Development(日本パビリオン) ③ 12月7日:「REDD+セーフガード実施及び科学性の高いモニタリングに おける事例と課題」(日本パビリオン) ④ 12月9日:「REDD+セーフガード実施及び科学性の高いモニタリングに おける事例と課題」 主催:森林総合研究所(Climate Generations Area) REDDセンターウェブサイト --------- -2.3 IGES気候変動に関する政府間パネル(IPCC)公開シンポジウム   「異常気象と気候変動の科学~世界の気象キャスターと考える     私たちの未来~」(11/10) 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書からの知見をもとに、 中長期的な気候変化に着目しながら、NHKで活躍中の気象予報士 井田 寛子氏 や国立環境研究所より江守 正多氏をお迎えし、国内外の気象キャスターと共 に気候変動にレジリエント(強靭)な社会の構築について議論を深めます。 【日時】 2015年11月10日(火)14:00-16:15 (受付開始13:30) 【場所】イイノホール&カンファレンスセンター 4階 Room A 〒100-0011東京都千代田区内幸町2-1-1飯野ビルディング   【主催】 環境省 【共催】 公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES) 【お問合せ】 申込サイト(お急ぎください) IGES 自然資源・生態系サービスエリア 公開シンポジウム事務局   Tel: 046-855-3880    Fax: 046-855-3809   E-mail: nre-info@iges.or.jp ---------- -2.4 日本科学未来館 地球合宿2015 特別講演「ヨハン・ロックストロームの 地球~地球の限界を知ることは未来への道しるべ」(11/11) ヨハン・ロックストローム氏(ストックホルム・レジリエンス・センター 所長)は「自然と人間との共生」の理念形成や発展に寄与した人物に贈られ るコスモス国際賞2015の受賞者です。日本科学未来館において、「地球~地 球の限界を知ることは未来への道しるべ」と題し、「プラネタリー・バウン ダリー」をテーマに氏の特別講演が行われます。 【日時】 2015年11月11日(水)13:00-15:00 (申し込み期間11/6まで) 【場所】日本科学未来館7階 イノベーションホール 【お問い合わせ】 申込サイト (参考) ロックストローム氏のTED トーク(日本語字幕有) “Let the environment guide our development” (仮訳:環境に開発を導かせよう) ----------- -2.5 REDDセンター国際セミナー  REDD研究開発センターは、2016年1月28日に東京大学伊藤国際学術研究センター 伊藤謝恩ホールで、2020年以降の枠組みとREDD+について考える国際セミ ナーを開催します。COP21での議論を振り返るとともに、各国から提出さ れている参照レベルから読み解くREDD+ の現状と将来を見通します。詳細 は後日、REDDセンターウェブサイトに掲載いたします。    =+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+==+=+=+=+=+=+=+=+= ◆ 3. 国内外インフォメーション ① CBDワークショップ:気候変動と自然災害に対処するため、政府は 生物多様性と生態系を考慮すべき 生物多様性条約(CBD)は、9月28日から10月2日にかけて南アフリカで開催 したワークショップで、気候変動への適応及び自然災害リスク軽減のために、 各国政府は生物多様性と生態系を考慮した取組みを進めるべきであると発表。 (10月15日) ② UNEP、一般市民が国連環境総会に参加するためのポータル発表 国連環境計画(UNEP)は、国連環境総会(UNEA)に一般の人々が参加 できるようにするための新たなポータル「MyUNEA.org」を開設。 (10月17日) ③オープン政府パートナーシップ(OGP)を通じて良好な森林ガバナンスを より開かれた政府と市民参加の拡大を目指す国際イニシアチブとして 2011年に設立されたOpen Government Partnership(ブラジル、 インドネシア、ノルウェー等)は、今年のサミットにおいて、OGPが具体的 にSDGの促進に資する分野として森林分野を特定。オープンデータツールにより、 一般市民から政府まで森林減少や森林火災等の情報を利害関係者と共有でき、 良好な森林管理を行うことができるなど、OGPにより、インドネシア、 リベリア、メキシコで森林管理に成果を挙げた例を紹介。 (WRI(World Research Institute)ニュース;10月27日) =+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+==+=+=+=+=+=+=+=+= ◆4. シリーズ ☆ 森林と国際関係 (4) -気候変動と資金- 第2回目では、途上国等が持続可能な開発目標を達成するための資金の動員や 供給方法にも注目が集まっていることを記しましたが、国連気候変動枠組条約 (UNFCCC)においても、途上国の気候変動対策推進のための資金メカニズムの 設計が重要な議題の一つとなっています。 現在UNFCCCの下には緩和策・適応策に拠出される緑の気候基金に加え、主に 適応策に拠出される、後発途上国基金、特別気候変動基金、そして京都議定書 の下の適応基金といった多国間基金が設置されています。特に注目されるのが、 1)気候変動の資金に関する国際的な目標である「2020年までに先進国が公的・ 民間等の資金から年間1000億ドルを動員」を達成するための、緑の気候基金を 中心とした多様な資金源からの資金動員の検討、2)2020年以降の気候変動に 関する新しい国際枠組の中での資金メカニズムのあり方の検討です。緑の気候 基金は2014年12月時点で24か国が表明した拠出額の合計が当初目標としていた 100億ドルを超え、この基金を軸として、さらなる公的・民間等の資金の動員が 期待されています。新しい国際枠組の中の資金メカニズムについては、その枠組 を検討する強化されたダーバン・プラットフォーム特別作業部会(ADP)の中で、 気候変動に関する資金動員、資金源、資金対象、資金の約束、制度枠組等が検討 されています。 2015年9月におけるADPでは、特に気候変動関連の資金に関する目標・義務・ 約束、民間資金を含む多様な資金源からの資金動員、開発支援における気候変動 の主流化、高炭素投資の制限、途上国のニーズや優先度の把握、資金対象・分野、 資金供与を可能にする環境整備などが検討されました。 まだ2020年以降の国際枠組の中で、どのように森林分野やREDD+が位置づけら れるかは決定されていません。しかし、その枠組の資金に関する項目の中で 森林やREDD+に関する資金供与について言及する提案も出ており、REDD+は重要 な気候変動の資金メカニズムの一つとして認識されています。 新しい国際枠組は今年12月のUNFCCC COP21で合意予定であり、その中でどの ように資金やREDD+が位置づけられるか、引き続き注目していきたいと思います。   (森林総合研究所 国際連携推進拠点 森田香菜子、執筆10月18日) REDDセンター「森林と国際関係」シリーズ =+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+==+=+=+=+=+=+=+=+= ◆ 5. 文献等紹介 上智大学磯崎博司教授によるREDD+セーフガードに関連する文献を2件紹介します。 自然及び生物資源の保全管理に関する国際法制度、環境条約の積極的な実施を確保 するための制度等について学ぶことができます。 ① 磯崎博司 持続可能な開発に関するセーフガード:望ましいREDD+に向けて 地球環境学研究8号, 2013-03-15  概要:REDD+には生物多様性や人権に関するセーフガードが必要とされているが、 国際合意では詳細な項目が定められていない。そのため、持続可能性および生物 多様性に関する基準や手続きを定めている関連条約下のガイドライン等を分析し 共通の項目を再構成することによって、望ましいREDD+のために必要とされている セーフガードに含まれるべき原則・基準・指標および手続きを探る。 上智大学リポジトリー ② 磯崎博司 条約の実施確保に向けて:国内措置の整備義務 地球環境学研究 10号, 2015-03-18 概要:条約の実施確保にあたって、条約そのものが標準的な解釈や枠組みを示す 場合もあれば、締約国会議決定等によってそれが行われる場合もある。このよう な重層構造の下で国内措置の整備が求められている最近の事例である,REDD+ セーフガード情報提供システムに関する国内措置および名古屋議定書の下での 利用国の国内措置を取り上げ、国内措置の整備にあたっては重層的構造の 全体像や位置づけ、背景事情の正確な理解が不可欠であることを解き明かす。 上智大学リポジトリー =+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+==+=+=+=+=+=+=+=+= ◆ 6. REDDセンターウェブサイト更新のお知らせ 新着情報 イベントを更新しました。 REDD文献検索システムをご活用ください。 =+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+==+=+=+=+=+=+=+=+= 編集後記  森林と国際関係(注1)で言及してきたように、SDGs(注2)の達成に向け、 企業の積極的な取組に期待が高まっています。持続可能な地球とマーケティ ングとの間に最初に関わるのは一般消費者ですが、主に途上国の中小企業を 対象にビジネス環境の整備やグリーン貿易の推進を支援してきた国際貿易セ ンター(International Trade Centre, ITC)も、SDGsの推進を全面的にア ピールしています。その一環として提供している、持続可能な貿易に関する 情報プラットフォーム「SustababilityXchange」には、当REDDセンター発行 のREDD-plus COOKBOOKも、参考資料として収録されています。  SDGsの17個のゴール(1.貧困撲滅 2.飢餓撲滅 3.健康・福祉の確保 4.教育 の確保 5.ジェンダー平等の達成 6.水と衛生の確保 7.持続可能なエネルギー 8.経済成長 9.インフラ整備 10.国内と国家間不平等の削減 11.持続的な都市・ 人間居住への転換 12.持続的な消費と生産の確保 13.気候変動とその影響へ の緊急の対処 14.海洋保全 15.森林管理、砂漠化対処、土地劣化・生物多様 性損失防止 16.公正な司法の促進 17.持続可能な開発のためのグローバルパー トナーシップの活性化)に個々の一般市民として直接的に貢献することは難し そうですが、持続可能な経営を行う企業、諸機関の介在により、初めて日常 生活の中でSDGsに関わっていくことができるのでしょう。 注1) REDDセンター「森林と国際関係」シリーズ 注2) SDGs(Sustainable Development Goals)日本語仮訳英語本文 =+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+==+=+=+=+=+=+=+=+= ◆ 本メールマガジンは、送信を希望された方のほか、過去に名刺交換をさ せていただいた方にもお送りしています。連絡先の変更や追加等のご連絡、 情報提供、メルマガに関するご意見等は、下記アドレスまでお寄せ下さい。 また、メール配信を希望されない方は、お手数ですが下記宛にご一報下さい。         redd-rd-center@ffpri.affrc.go.jp             ◇◇◇ 森林総合研究所 REDD研究開発センター ◇◇◇ URL: http://redd.ffpri.affrc.go.jp/index.html (メルマガ担当: 国際連携推進拠点 川元スミレ) 〒 305-8687茨城県つくば市松の里1 国立研究開発法人 森林総合研究所内 Phone: 029-829-8365; FAX: 029-829-8366